~只今、全面改訂中~

こんにちは。

今回ご紹介しますのは、「南北朝時代第2期⑧:1350年12月」です。

直義は瞬く間に勢力を拡大し、ついに尊氏は中国地方から引き返すことを決断しました。

畿内はおろか、関東地方などその他の地域でも直義方が優勢でした。

観応元年/正平5年(1350年)12月年表

12/桃井直常、越中から出陣、京都を目指す

【桃井直常】(?-1376)…上野国群馬郡桃井郷(群馬県榛東村)が本拠と言われる。北畠顕家との戦や(1337-8)、塩冶高貞の追撃(1341)、。1343年頃から越中守護に。観応の擾乱では一貫して直義党であり、直義死後も反尊氏として戦いを続ける。高師直からの所領が少なかったことに不満をもっていたという記載もあるが、決して少なかったわけではない。
12/4石塔頼房、上野直勝、近江国瀬田へ進出

※宿場と橋を焼き払う
※上洛する可能性もあったため、幕府は光厳上皇の御所を警備
12/5石塔頼房に対抗して、近江守護佐々木六角氏頼出陣

※近江国坂本から琵琶湖を渡り東岸へ
※ちなみに佐々木家の惣領は佐々木道誉ではなく六角氏頼。佐々木道誉は勝楽寺(滋賀県甲良町)に城を築き本拠地とするも他国の守護を歴任。
※佐々木京極秀綱(道誉の息子)も近江に向かう。
12/7石塔頼房、山城国岩清水八幡宮に進出

※一部は京都七条まで攻め込む
※1万人程度が赤井河原に布陣。佐々木道誉、仁木義長が向かう。
12/9石塔頼房軍、山城国宇治に進出

※平等院鳳凰堂を占拠
※関山にも乱入
12/10近江に残った上野直勝、佐々木六角氏頼軍と守山で激戦

※三河国額田郡では粟生為広以下21名の武士が直義派として挙兵。
※額田郡(愛知県岡崎市)は高師兼が長く守護を務めた高一族の本拠地ともいえる場所であるが、そのような場所からも反師直の武士が出現した。
12/12佐々木六角氏頼、敵の首を数十個もって帰京
12/13南朝、直義の降伏を正式に許可する
12/14尾張国では今川朝氏(直義方)が同国黒田宿で戦う

※さらに26日には美濃国青野原でも合戦。
※丹波国でも直義方(あるいは南朝方)の反乱があったが返り討ちにあう。当時の丹波守護・山名時氏はこの時点では尊氏-師直派であった。
12/19淀川で佐々木道誉軍と石塔頼房軍が交戦
12/21足利直義、畠山国清とともに摂津国天王寺に進出

※河内国石川城から出陣
※この日、東国の軍勢が石清水八幡宮に入る
※直義方の勢いを見て、北朝の廷臣、高僧も数名、直義のもとにつく。
12/25高師冬、鎌倉公方の足利基氏を伴い、鎌倉を出発

※11月から常陸国、上野国で上杉氏一族(直義方)が軍事行動を起こしていたため討伐へ向かう。
※当時、関東執事は2人制(上杉憲顕、高師冬)
※同日夜に相模国毛利荘湯山(神奈川県厚木市)へ到着。 (→相模毛利荘湯山事件へ)
12/26高師泰、石見国三隅城から撤退

※師泰は九州上陸して直冬と戦うために派遣されたが石見国すら突破できなかった
※高師泰の力にも翳りが見える
12/26相模毛利荘湯山事件

※石塔義房(頼房の父)、基氏の護衛を襲撃し、基氏を鎌倉へ連れ戻す。
※基氏を奪われた師冬は劣勢となり甲斐国へ逃亡。
※上杉能憲は東海道を下り、直義との合流を目指す。
関東地方においても直義方が圧倒的に優勢
12/29尊氏・師直、備前国福岡から反転して京都へ

※直義派は無視できないレベルに増幅。
※尊氏は備後国に高師夏、備中国に南宗継、備前国に石橋和義を残し、師冬からの攻撃に備えた。
♨ちなみに現在の「福岡」県の地名の由来は、築城の際に黒田長政(黒田如水息子)が出身地の備前国福岡を思って、つけたもの。それまでは「福崎」という地名だった。
12/29足利基氏、直義派の近習に身辺を固めらて鎌倉へ戻る

※直義派の関東執事である上杉憲顕の要請で、軍勢催促状に署名することに。
-/-1350年は高麗の倭寇が興隆した年でもある
桃井直常
越中は弟に任せて、京都めがけていざ出陣じゃ!

雪道なんか我が軍はもろともせん!

石塔頼房
オラオラオラオラオラ!

近江は上野直勝どのに任せて私も京を目指す!

北畠親房
おー!直義軍が優勢じゃないか。

よしよし、南朝の巻き返しだっ!

佐々木道誉
ちっ、石塔頼房、マジうぜぇ!
畠山国清
さて、我々も石清水八幡宮を目指しましょうか。

私がいればなんてことないですよ!

足利直義
うん、頼りにしてるぞ!
高師泰
どうしたことか…

石見国ごときで足止めされてしまった…

もしやこれは直冬さまの計略か…?

しょうがない、撤退だ!

足利尊氏
へぇ。あの師泰が撤退ね…

直冬の仕業かな。

京都はどうなってる?

高師直
はい。直義さまの勢力が増大しております。

このままでは義詮さまが危ないです。

直冬さまへの備えはしつつ、我々は京都へ引き返しましょう。

高師冬
こちら、関東。

基氏さまを連れて足利討伐に向かいましたが、

石塔の父親の方に襲撃されて基氏さまも奪われました…

いったん甲斐に避難しますが、生きて帰れるかわかりません…

足利基氏
兄弟で争うのは醜い…

義詮兄さんは大丈夫かな…

足利義詮
クソッ!直義おじさんめ!

なんとか持ちこたえてやる!

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感想(7件)
名著!!