~只今、全面改訂中~

☞【織田信長の家臣団は最初から優秀であったわけではない】(『日本のシン富裕層』、大森健史、2022年)

こんにちは。

今回ご紹介しますのは、「日本のシン富裕層」(大森健史、2022年、朝日新書)です。

「なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか」というサブタイトルに惹かれて、つい買ってしまいました。

ただ、この本は「新しいタイプの富裕層が、(節税も兼ねて)割と海外移住を好み、どこが良いのかを紹介する」という著者の「仕事PR」がメインでした。(ま、そりゃそうですよね、、)

ですので、「巨万の富を築くこと」に淡い憧れを抱きつつも、「日本でしか仕事ができなく」、「海外移住するつもりもない」僕はあんまり読む必要がなかったのかも、、

それでも、随所に面白いところはあったので、少しばかりご紹介します。

まず、歴史との関わりでいきますと、

「なぜ信長の家臣団はあんなに優秀だったのか」という一般的な問いかけに関して、

「彼らは信長が若い頃から仕えており、信長のステージアップに伴い自身も成長したから優秀になっただけであり、決して最初からすごく優秀であったわけではない」

という著者の視点です。

なんでそういう話が出てきたのかと言いますと、

「いかに優秀な新入社員を入れるか」に話が及んでのことでした。

どの会社も信長の家臣団のような優秀な社員を得たいと思っているんですが、

なるほど、大前提として会社の成長がないと社員も成長しませんもんね。

優秀だったけど、殿様がダメで歴史に埋もれた武士たちもわんさかいることでしょうし、、

言われてみれば納得するのですが、この視点は「はっ」とさせられました。

そして、著者は新入社員の面談を行うのに「白紙2枚を渡して、そこに好きなことを書かせる」というスタイルに行き着いたそうです。

それをすることによって、「口では良いこと言うけど全く熱意を感じない」(紙に書かせると全く書かない、、)とか、

「熱意はあるけど、ミスも多そう」(誤字脱字が多い、文章が整っていない、でも方向づけさえきちんとすれば戦力になるかな?)とか、いろいろわかるそうです。

実際には僕は雇われる側ですが、この面談方式は面白いと思いました。

ちなみに、信長は「途中でスカウトした荒木村重、明智光秀には裏切られている」とのこと。

もちろん「生え抜きじゃない人」が全員裏切るわけではないのですが、

一般的な履歴書だけでは人は判断できない、と常々思います。

で、肝心な「シン富裕層」の出現背景についてなんですが、

これは、2017年以降の「暗号資産」(旧称:仮想通貨)バブルの影響が大きいんですって。

ほかにも「アベノミクス」であったり、you tube等の「投げ銭機能」であったり、コロナでの「金融緩和」であったり。

あとは、「情報商材ビジネス」といって、たとえば「you tubeのはじめ方」みたいなのをパッケージにしてネットで売るのが最強という話とか。

(ゴールドラッシュで儲けたのは、採掘に行った人ではなく、その周辺でジーンズやらなんやらを売ってた人、という視点も斬新に思えました)

そして、「金融業界に勤めている人でもいまだに暗号資産を毛嫌いしている人がいる」とのことで暗号資産を勧めるようなノリなんですが、

「暗号資産を扱う取引所が破綻した」なんていうニュースも見たりすると、いろいろ躊躇してしまいますねー、、

あー、宝くじが当たってないかなー(それが一番、確率低いでしょうが、、)

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感想(0件)
ちなみに、今、「ポルトガル移住」がアツいらしいです。そういえばカズもポルトガルのチームに移籍したなー。温暖で治安も良くて英語も通じるんですって。で、5000万くらいの不動産を買えば(それを人に貸しても)数年後かに永住権が得られるとか。