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☞【戦後史、まずはコレ!】『やりなおす戦後史』(蔭山克秀、2015年)

こんにちは。

今回ご紹介しますのは、蔭山克秀先生の「やりなおす戦後史」(2015年、ダイヤモンド社)です。

読書メモはコチラ

一言で言いますと、「戦後史はこの1冊で十分」です。

「戦後の復興」は「朝鮮戦争特需」によるものでしょうか?

僕自身はずっとそうに思っていましたが、本書によりますと、その2年前にGHQ内部での抗争が起こり、

GS(民政局)からG2(参謀第2部)へ権力が移行(1948年)

したことが重要だそうです。

なぜなら、これによりそれまで道路一本すらまともに作らせてもらえなかった日本が、以後、「反共の砦」としてアメリカン・ファミリーに加わったという意味を持つからです。

GSが狙っていたのは「日本の弱体化」です。

「武装解除」に始まり、「公職追放」、「東京裁判」、「中間賠償」、「在外資産賠償」、

さらに、「財閥解体」、「農地改革」、「労働組合の育成」。これらはすべて日本の弱体化を意図しています。

(鳩山一郎は公職追放で次期首相最有力でありながら追放。)

さらに、「日本国憲法作成」、「教育基本法制定」(皇国史観に基づく学校教育の撤廃)、「プレスコードの制定」、「政治犯として投獄されていた共産党幹部の釈放」、「社会党・片山哲の首相推薦」などもこの時期に起こりました。

ところが、アジアにおいて社会主義が台頭します。

これに脅威を抱いたG2のウィロビー少将は日本を「反共の砦」として利用するようトルーマンに進言し、G2によって日本の戦後復興が本格的に始まったというわけです。(「GHQのまわれ右」と言うそうです。)

まずは社会党と連立を組んでいた民主党の芦田均が「昭和電工事件」で失脚し(のち無罪放免)、

吉田茂が首相に就任します。

「戦後日本史は軸がないけど、アメリカを軸と考えるとわかりやすい」

と書かれておりますが、まさに戦後史はそう考えると本当にわかりやすいと思いました。

もっとも、あえて批判を書くとすれば、「アメリカとの関係をみると軸がみえてくる」と書いておきながら、アメリカの歴史、年表についての記載が少ないので、初学者はアメリカの歴史については別書で学ぶ必要があるくらいでしょうか。

とにかくオススメ。

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