こんにちは。
新春早々、驚くことに「米騒動」が井上真央さん主演で映画になりました。
「鬼滅の刃」にしてもそうですけど、やっぱり「大正時代ブーム」なんですかね・・・。
今回、ご紹介するのは、「大正時代の景気」です。
第1次世界大戦時、欧州諸国は輸出どころではありませんでした。
そのため、日本はかつてないほどの受注を受け、稀に見る好景気を迎えた、と言われております。
しかし、米騒動が起きたのも大戦中でした。
米騒動が生じた理由はいくつか挙げられますが、
「末端まで富が分配されない社会構造」と、
「シベリア出兵に向けての米の投機的な買い占め」
などが原因と言われております。
また、この時期、各種の「社会運動」も活発化します。
社会運動関係史
1911 | 青踏社結成(平塚らいてうら) |
1912 | 友愛会結成(鈴木文治ら) |
1916 | 吉野作造、民本主義 |
1918 | 米騒動 黎明会結成(吉野作造ら)、東大新人会も結成(宮崎龍介ら)。 |
1919 | 猶存社結成(北一輝、大川周明ら) 友愛会、大日本労働総同盟友愛会と改称 |
1920 | 【戦後恐慌】 新婦人協会結成(平塚らいてう、市川房枝ら) 第1回メーデー(大日本労働総同盟友愛会) |
1921 | 赤瀾会結成(山川菊枝、伊藤野枝ら) 大日本労働総同盟友愛会、日本労働総同盟と改称 →労使協調路線から階級闘争に転換。のち左派と右派に分裂。 |
1922 | 全国水平社結成(西光万吉ら) 日本農民組合結成(杉山元治郎ら→1926年分裂) 日本共産党、非合法に結成 (堺利彦、山川均ら→1923年治安警察法で検挙) |
1923 | 関東大震災 甘粕事件→大杉栄、伊藤野枝夫妻殺害 |
1924 | 婦人参政権獲得期成同盟会結成(市川房枝ら) 【第2次護憲運動】 |
1925 | 普通選挙法公布 治安維持法公布 日本労働総同盟、左派(共産党の影響大)と右派に分裂 |
女性の権利が訴えられたのもこの時期ですね。
1924年には婦人参政権獲得期成同盟会が結成されますが、
実際に女性の参政権が獲得されたのは戦後です。
さて、大戦が終わった1920年には早くも
「戦後恐慌」
を迎えます。
つまり、「大戦景気」は戦争中のことだけでした。
3一 「大戦景気」は戦争中だけのことでした。(p162)
自国の領土が戦争の被害を受けなかったため、アメリカと日本は好景気となりました。
ドイツからの輸入が途絶えたことは、化学分野の国産化が進むきっかけとなりました。
「成金」出現します。
急に大金を手にすると人間はダメですな。
農業国から工業国へ
1914年には11億円の債務国だった日本は、1920年には27億円以上の債権国となりました。
1919年には工業生産額が農業生産額を超え、日本はアジア最大の工業国となりました。
さらに、「寄生地主制」の影響で農業生産は停滞しました。
物価が上昇、これいいの?
労働者への利益配分は進みませんでした。
そのため、異様な物価高と品不足を招きます。
本当に豊かであったら「米騒動」なんて起きないでしょ。
【まとめ】
第1次世界大戦の間「だけ」好景気を迎えた。
しかし、末端まで富が分配されない社会構造が問題であった。
物価は上がる一方で、「米騒動」も勃発。
各種社会運動も活発化した。
大戦景気は終戦と共に終息し、1920年には貿易赤字に転落。
成金たちも没落した。