こんにちは。
今回ご紹介しますのは、「大日本史」(山内昌之・佐藤優、2017年、文春新書)です。
本書は対談形式で進みます。
2人とも、「知の巨人」という名前が相応しい…
これだけ縦横無尽に近代史を語ることができたら、楽しいだろうな…と外野から見ていて思いますが、、、
佐藤優先生など一度、逮捕されたこともありますし、
ご本人たちは、まさしく「心血を注いで」この舞台に立っておられるので、「楽しいだろうな」なんて淡い感想を抱いてはいけない…
と思いつつも、居酒屋でこんな高度な会話をすることができたら、やっぱり「かなり楽しいだろうな…」と思いますね…。
(それには、もちろん絶対的に知識不足ですが…)
一例をあげますと(意訳改編)、
佐藤先生が、
「陸軍は本土であと2年は戦える余力があった。もし焦土になるまで徹底抗戦を続けていれば、アメリカも消耗し、彼らのコスト意識に訴えることができた可能性はあるのでは。」
と言えば、
山内先生は
「それは非常に興味深い分析ですが、やはり持久力は残っていなかったと考えます。また、宮城事件でクーデターが成功しても、それを指揮する政治的な柱が存在しなかったので、雲散霧消してしまったのではないでしょうか」
と。
となると、佐藤先生は、
「確かに。やはり陸軍中野学校が佐官級までを育てる時間的な余裕があれば良かったでしょうがね。彼らは日本の敗戦・占領も確実として1946年九州上陸、1947年九十九里浜上陸を予測し、皇室をどう隠すか、地下政府をどう作るか、どうやって外から諜報員を送り込むかまで考えていたラディカルな組織でしたし」
といった感じ。
うーん、レベルが高すぎる!
以下、目次です。
第1章:黒船来航とリンカーン
第2章:西郷と大久保はなぜ決裂したのか
第3章:アジアを変えた日清戦争、世界史を変えた日露戦争
第4章:日米対立を生んだシベリア出兵
第5章:満州事変と天皇機関説
第6章:二・二六事件から日中戦争へ
第7章:太平洋戦争 開戦と終戦のドラマ
第8章:憲法、天皇、国体
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佐藤優先生の著作で特にオススメしたいのが、『読書の技法』です。(↓)