こんにちは。
今回ご紹介しますのは小島毅先生の「父が子に語る近現代史」(2009年、トランスビュー)です。
「父が子に語る・・・」というのはもちろんネルー元首相へのオマージュでしょう。
図書館で手にして、良い本だなぁと思っていましたが、2019年11月、ついに文庫本発売決定しました!
【ひとことメモ】
★近現代史における「学者側」の考えがわかる。
★非学者の本があふれているので逆に新鮮でもある。
★近現代史を勉強する前に1回読んでおくと良い。
読書メモ編は【コチラへ】。
この本をどういう人に読んで欲しいかと言うと、ズバリ、「百田尚樹先生の著書やコメントに、なぜ批判的な意見を出す人がいるのかイマイチわからない」人。
百田尚樹先生の本は僕も何冊も読んだし、何冊も買いました。twitterでの発言もたびたび見ています。すごく面白いし、切れ味抜群です。
百田尚樹さんの本を否定する人なんて、「愛国心のかけらもない」非国民か、「戦後教育に毒された」サヨクしかいない、と思っていました。
しかし、日本史を本格的に勉強すると、「愛国心」の方向性として、百田先生とは違った形のものを持っている人たちがいることに気づき、そちらの意見の方により親近感を覚えていくようになりました。
(そういう意見の人たちとは「学者」が多い。)
百田先生への尊敬の念は変わらないのですが、学者の意見が「大勢」に押された、美濃部達吉先生の「天皇機関説問題」みたいなのを繰り返してはいけないとも思う次第。
「学者」と言うと、「頭でっかちで融通が利かないエリート」みたいな印象を持たれる方が多く、そういう人を論破することこそ正義と思っている人も多いかも知れませんが、そういう先入観を取っ払って、公平に著作を読んで欲しいと思います。
(また、ケント・ギルバートさんが著作で、「日本人の国民宗教は武士道」と述べられていましたが、これについて、「ん?」と疑問に思った人にも読んで欲しいです・・・。)
本書は武士道についても考えるきっかけになるでしょうか。
また、つい先日、「北方領土は戦争して取り返さないとでしょ!」的なことを言った国会議員がいましたが、彼は結構本気で言ったと思うし、「実は」彼に同調している人も多いと聞きます。
それが何でダメなのか?と思う人も、是非、この本を読んだ方が良いでしょう。
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【追記】余計なお世話ですが、百田先生の「日本国記」は近代史に専念した方が良かったと思います。日本史全部をあの分量におさめようとすると百田先生の良さが失われてしまうでしょう。
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