~「もう一つ上の日本史」出版に伴い、勉強方法も変える必要が出たので、全面改訂突入します~

☞【令和元年10月、文庫本発売!『父が子に語る日本史』(小島毅、2008年、トランスビュー)】

2019年10月に文庫本が出た!

偏狭な愛国主義者になるな。
「頼山陽」なんてまともに信じちゃダメ。

以下、読書メモ。

<剣の章>

日本史は頼山陽の「日本外史」抜きには語れない

室町時代に「南朝史観」など存在しなかった。しかし、江戸時代に入って儒教が取り入れられて、「天皇中心」史観それも「南朝」中心の史観が持ち出されたことが、現在にも影響を及ぼしている。

南朝の真実

これには、徳川家と新田家の関係もあったのかも知れない。(徳川家の祖先の系譜に新田家も入る。)

徳川光圀の「大日本史」、新井白石「読史世論」を経て頼山陽の「日本外史」と、段々と偏りが出てきて、最終的に「この国は天皇が治める国」ことが当然のようになって、明治維新に至った。

将門にしてもただの地方の争いなんだけど、頼山陽にかかれば、貞盛は天皇に税をおさめることを約束したことで上位となる。しばしば、このような天皇びいきが出るのだ。

そうして作られた明治維新も、当初は「尊皇攘夷」とか言っていたくせに、いつの間にか井伊直弼の路線を継承している。奥羽列藩同盟も「天皇に刃向う悪い奴」とされてしまった。

<心の章>

神話を信じるか否か。

★神武天皇が即位した日とされた「建国記念の日」は、明治6年、旧暦とのずれを埋めたときに造られた旧正月に「設定」され、大日本帝国憲法制定日も、わざわざこの日を選んだ。

六国史は宇多天皇で終わっている

※最後が日本三代実録(三代とは清和、陽成、光孝)である。これは当然、漢文で書かれた。大日本史も、日本外史も漢文。この時代、菅原道真が登用されたが、遣唐使廃止とともに六国史も書く必要がなくなった。 

★「複数の古代」(神野志隆光さん)の説も興味深い。

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★日本書紀の編集者たちは当然、卑弥呼のことを知っていたであろう。そのうえで神功皇后との合体が行われた。

(追記:うーん??これは畿内説を前提とした考えだね。)

★「神皇正統記」(北畠親房)は古典のうち、重要と思われるところを抜き取ったもの。親房が応神天皇(神功皇后の後)の功績として選んだのは

①百済から博士が来たこと

②武内宿禰が大臣に復職、蘇我氏の祖先となったこと。

百済から来た人物は王仁と呼ばれ、彼により論語がもたらされた。今の教科書には「6世紀に百済から渡来した五経博士により儒教が伝えられた」という記述にとどまる。

♨越前の継体天皇の家系を経て、欽明天皇即位で再び大和系に戻る。

<宝の章>

★日本に特有なのは「無常」という感情。あまり良いことが続くと、次は悪いことがおこるんじゃないか、と思うのは藤原道長の代に既にある。

★「改新の詔」には「郡司」という言葉が用いられているが、当時、それに当たる言葉は「評」という字が使われていたため、改新の詔は「後付け」説がある。しかし、これは編集者がわかりやすくするために用いたという説もあり、決着はついていない。 (追記:郡評論争と言われるが、こういう論争があることは知っておくべき。)

★大化の改新の中心人物は中大兄皇子ではなく、孝徳天皇であろう。(遠山美都雄「大化改新」、中村修也「偽りの大化改新」など)

★ライシャワーの影響で円仁の「入唐求法巡礼行記」はアメリカでは有名である。(日本ではあまり。有名ではない。)

♨万葉集でめでられている花は梅。古来、中国では梅が大事にされた。

<鍬の章>

仁義道徳を疑う

1086年から1185年の100年はめまぐるしい

院政開始(堀河天皇)~壇ノ浦の戦い、鎌倉幕府成立まで。頼朝征夷大将軍就任は単に就任に反対していた後白河法皇の死去を待っただけである。

12世紀は東アジア全体も激動の時期

1127年靖康の変、1206年モンゴル帝国。

鎌倉幕府成立はこれとは無関係ではない。いわば12世紀は「諸行無常」。

京都に古都らしきものはあまり残っていない

(追記:非常に同感!!むしろそれを求めてくる人がかわいそうになる。)

仁義道徳で歴史を作ってはいけない。(追記:この言葉は深い…)

足利尊氏、義満あたりは被害者。

★仁義道徳をふりかざして戦争していては、中世と現代と、どちらが幸せか。

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