
日本史を勉強するにあたって、河合敦先生の本だけ買っても良いと思う。河合先生と言うのは元々、高校の先生だった人だけど、あまりにも話が面白すぎて、テレビにも出るようもなって、本も書くようになった人というイメージ。
だから「受験に役立つ」的な内容の話も書ければ、面白い話も書ける。(それでいて偏りが全くないのと、すべての時代に精通。)
つまり、日本史の先生として「カンペキ」なのだ。
この『変と乱の日本史』も、素晴らしすぎる。それでいて、やはりエキセントリックさは皆無。いろいろな見方も紹介してくれている。面白いうえに、わかりやすく、非の打ちどころがない。
本書は「歴史を変えた18の政変とクーデター」というサブタイトルがつけられており、大戦争よりも政変や内乱、クーデターに注目した作品。
第1章から、「大化改新はどこまでが真実なのか」という想像をかきたてるタイトル。つづいて、長屋王の変、藤原種継暗殺事件、薬子の変、長徳の変、鹿ケ谷の陰謀(かなりオススメ)、摂家将軍・宮将軍、嘉吉の変、本能寺の変、豊臣秀次謀反事件…と続くが、どれも面白い。
たとえば第1章では蘇我氏が決して悪者ではなかったこと(この話は割と有名になったと思う)に付け加えて、孝徳天皇黒幕の話。
これだけでも買った価値があったと思ったが、長屋王の変における「聖武天皇首謀者」説の紹介と、反対に「長屋王に野心アリ」説の紹介。
第6章の鹿ケ谷の陰謀でのサブタイトルは「平氏打倒の陰謀は平清盛が仕掛けた罠だった?」。延暦寺と後白河法皇の対決の話(嘉応の強訴の件など)など、日本史の教科書には書かれていないことが実にわかりやすく紹介されている。
河合敦先生の最近の著書と言えば「日本史は逆から学べ」の方が売れているかも知れないけど(当然、こっちも買いました)、僕はこっちをオススメしたい。
コチラ↓(楽天)
変と乱の日本史 歴史を変えた18の政変とクーデター [ 河合敦 ]価格:885円 (2019/5/29 19:32時点) 感想(0件) |