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☞【1926年-1937年ならコレ!】『戦争とファシズムの時代へ』(河島真、2017年、吉川弘文館:日本近代の歴史⑤)

こんにちは。

今回ご紹介するのは、河島真先生の『戦争とファシズムの時代へ』。

とりわけ現在は「1930年代と類似している」という識者が少なからずおります。

たしかに僕も類似点が多いとは感じます。

よって、今、最も学ぶべきは1930年代かも知れませんね。

そういう面でもオススメしますが、

この時代、結構、偏った本が多いんですよね・・・

筆者の意見が盛り込まれ過ぎている本とか・・・

本書の特徴としましては、そういう部分を全て排除して、丁寧に「事実」とされていることを淡々と記しております。

さらに加えるとすれば、「文章が美しい」ということ。

説明文に「美しい」という言葉を用いることは適切ではないかも知れませんが、

こんな難しいことを、こんなに「無駄なく」説明できることに対して、「美しい」と言わざるを得ません。

近代史はもちろん、国語や小論文の勉強にもなるんじゃないか、って思うほどです。

なかなかこの時代の通史として適切なものがないと感じていましたが、

これさえあれば十分でしょう。

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普通選挙法後、無産政党すべてが迫害されたわけではない

1つの例として、第1回普通選挙法について紹介します。

まず、1925年、男子普通選挙法が制定されたわけですが、

この段階で、

時の内務官僚たちは「無産政党」(労働者たちの党)を「政治に不可欠」と考えていた

とのことです。

おそらく他の書物では、治安維持法で共産党、無政府主義者が検挙されたことから、「無産政党が弾圧された」(無産政党=資本家ではない)ということがクローズアップされているかと思います。

(三一五事件とか、四一六事件とか)

しかし、ここで弾圧を受けたのは共産党、無政府主義者であって、すべての無産政党ではありません。

共産党、無政府主義者たちは「天皇制打倒」を主張していたから国体変更のクーデターの意志があるとみなされて排除されたのです。

そうでない、「普通の」無産政党は弾圧を受けておりません。

これを知って、日本史の見方が変わりました。

内務官僚たちはイギリスの「労働党」のような存在を必要としていたということです。

コロナ問題もあって、最近「社会主義」をネタにした本も急増しているんですよね。

 

アメリカ大統領選でも「民主社会主義」を掲げるバーニー・サンダースが話題になりましたしね。

現在の若者たちは、「社会主義」という言葉に全く抵抗がないみたいですよ。

とにかくいろいろ勉強になりますし、考えさせられます。

オススメです。

※袁世凱死去後の中国の軍閥跋扈状態の説明がどこの何よりもわかりやすかったです!(そもそも掲載されていない本の方が多い。)