~「もう一つ上の日本史」出版に伴い、勉強方法も変える必要が出たので、全面改訂突入します~

☞【昭和時代をより深く】『昭和史講義』(筒井清忠ほか、2015年、ちくま新書)

中級以上。他書が不要になるとさえ思う良本だが、試験前に読むのは無理なので、ダイジェストを書く。見た目以上に内容がぶ厚い。

誤った認識は誤った行動を歴史の単純化は単純な人々だけによって動かされる「単純な歴史」を生み出す(表紙より)

『昭和史講義』(筒井清忠ほか、2015年)を読んだ。

このシリーズは呉座先生も推薦していたが、内容見て驚愕。880円で売られていることは奇跡と思う。(ただ、ある程度、基礎知識は必要。)

また、「研究者の研究成果」を横取りするかのような形で、非研究者が「勝手に解釈した本」を出すことを研究者は最も嫌うということも分かった。

呉座ー井沢論争の私見は【コチラ】)

まず読んで欲しいのは【コチラ】

表紙より。

…誤った認識は誤った行動を、歴史の単純化は単純な人々だけによって動かされる「単純な歴史」を生み出すであろう。こうした状況を打破するにあたり、私どもにまずできることは確実な史料に基づいた正確な昭和史を読者に届けることではないか

今の時代に必要とされていることは、まさしく、これ。

どうしても、安易な理解を求める人は多く、その風潮は今後も続く思うが、本書はそうした「単純化圧力」への挑戦でもある。

「まえがき」より。

「2000年代に入る前後から歴史認識をめぐる問題がかびすましくなり、昭和史に対する関心が非常に高まるのに相前後して不正確な昭和史本が横行し始めたのである。それらでは新しい研究の成果など全く追っていないので、過去の間違いがそのまま踏襲されていたり、俗説や伝承の類がチェックもなく横行したりしている。自分らに都合のいい心地よい昭和史を実証的根拠もなくそれらはもっともらしく語っているのである。それらは専門の研究者から見ると民俗学の対象のように見える世界である。」

(p008)

♨2000年代と言うと何人か思い浮かぶ・・・。学生時代に小林よしのり先生ブームがあって、僕も「戦争論」を読んだが、これはそれに当たるのだろうか・・・。

♨2019年のベストセラーの「日本国記」もこれに当たる?ちなみに僕は最初の数ページ読んで、そのまま置いた。期待が大きすぎたのか。ただ、歴史の勉強をしている人は、同じ思いを抱いたよう。【コチラ

早くも興味をそそる内容が目白押し

★(二二六事件の)「叛乱軍の青年将校が最後まで期待し信頼したのは石原だった
【筒井清忠先生:コチラ

★(日米開戦時のハル・ノートについて)「いずれにせよ、すでにアメリカが交渉による戦争回避をあきらめ、日本に戦争をしかけられる選択肢をとったことは確かだというのが現在の研究水準から言える」

【森山優先生:コチラ

★「日本軍の真珠湾奇襲攻撃をアメリカはあらかじめ知っていたという陰謀説も昔から再三唱えられており、結構信じている人も多いのだが…」

【森山優先生:コチラ

じっくりと腰を据えて読まねば研究者に失礼、と言う気持ちになった。

【日中戦争のはじまりは盧溝橋ではない?】

また、日中戦争(学術的にはシナ事変とすべきか)の発端は1937年7月7日の「盧溝橋事件」とどの教科書、参考書にも書かれている。しかし、厳密に言うとこれは間違っているのではないだろうか、と思った。

日本軍が本当に戦争を意識したのは、7月25日の「廊坊事件」と翌日の「広安門事件」。

「盧溝橋事件」は、どちらが発砲したのかわからない事件のうえ、一度、停戦合意がされている。

このような小規模な紛争は決して少なくなかった

問題は、その後。停戦合意がなされていたのに、軍用電線を修理中の関東軍通信隊が狙撃された「廊坊事件」、居留民保護に向かった部隊が城門で攻撃された「広安門事件」である。

シナ駐屯軍の橋本郡参謀長、中央の参謀本部河辺虎四郎戦争指導課長も、武力行使を本当に決心したのは盧溝橋ではなく、「広安門事件」のとき、と言っているのだ。

つまり、

どっちが発砲したのか分からない「盧溝橋事件」と違って、「廊坊事件」「公安門事件」は、相手が条約を守らずに攻撃してきたから、やり返したものだ。

ただ、これを「中国人は約束を守らない、なんてひどい」という結論にしてはいけない。

中国人も、「主和派」と「主戦派」にわかれており、そのような暴発を起こすのは「主戦派」。

これには、中国軍内の権力闘争が絡んでいるのだ。(武功をあげて昇進を狙う奴が出る)。

より詳しくはコチラ

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個人的に、石橋湛山の慧眼に敬服しているので、戦前文化人編の刊行は実に興味深い。

【追記】

やっぱり、この本、スゴイ…。シリーズの他の書籍まで精読したら、一体、いつ読み終わるのか…。(2019/08/22)

第1章:幣原外交についてはコチラ

第2章:普通選挙法はコチラ

第3章:張作霖爆殺事件はコチラ

第4章:ロンドン海軍軍縮条約はコチラ

第5章:国際連盟脱退はコチラ

第6章:天皇機関説はコチラ

第7章:二二六事件はコチラ

第8章:日中戦争はコチラ

第9章:東亜新秩序はコチラ

第10章:ノモンハン事件はコチラ

第11章:日独伊三国同盟はコチラ

第12章:近衛新体制はコチラ

第13章:日米交渉はコチラ

第14章:ポツダム宣言受諾背景についてはコチラ

第15章:アメリカの対日戦略変遷はコチラ