~「もう一つ上の日本史」出版に伴い、勉強方法も変える必要が出たので、全面改訂突入します~

☞【昭和陸軍を知れば近代史がわかる!】『昭和陸軍の軌跡 永田鉄山の構想とその分岐』(川田稔、2011年、中公新書)

「昭和陸軍が歴史の表舞台に登場するのは、とりわけ満州事変からである。」

冒頭からいきなり吸い寄せられた。これ以上の名文はないとすら思う。

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以下、introduction。

プロローグ(1)

★1931年9月、関東軍により南満州鉄道爆破。これを中国軍によるものとして関東軍を出動させ、翌日のうちに南満州の主要都市を占領。計画は石原莞爾、板垣征四郎らによる。

★東京の陸軍中央では永田鉄山軍事課長以下、岡村寧次、東条英機ら中堅幕僚グループが石原と連携し、関東軍の活動を有利に展開するよう働きかける。(若槻禮次郎首相のみならず、南次郎陸相ら陸軍首脳部は不拡大の方針であった。)

★永田鉄山以下、東条、石原に加え、一夕会の一員であった武藤章、田中新一らはのちに昭和陸軍を動かす中心人物になっていく。

♨【満州事変と紛らわしい事例】

張作霖爆殺事件(1928年6月4日):満州・奉天で軍閥の張作霖が爆殺される。関東軍高級参謀・河本大作単独実行説。事件の処遇をめぐって昭和天皇が田中義一首相を叱責。

柳条湖事件(1931年9月18日):満州事変と同義。満州・奉天の柳条湖付近で満鉄の線路が爆破。これを中国人の仕業として満州に軍事侵攻。若槻禮次郎内閣。

盧溝橋事件(1937年7月7日):北京郊外の盧溝橋で銃声を聞いた日本軍と中国軍が衝突。日中戦争に発展。近衛内閣時。ロシア黒幕説など真相は謎が多い。

♨ここまでの主要人物

永田鉄山】陸軍省軍務局長のポストにつき、統制派を率いて全陸軍をリード。皇道派との派閥抗争の中で暗殺される。

東条英機】三国同盟締結時の陸相、太平洋戦争開戦時の首相兼陸相。東京裁判で死刑。

石原莞爾】満州事変後に参謀本部戦争指導課長、同作戦部長となり事実上陸軍を牽引。しかし、日中戦争時に不拡大を主張し、武藤、田中らと対立して失脚。間もなく陸軍を去る。

武藤章】三国同盟時、太平洋戦争開戦時の陸軍省軍務局長。東京裁判で死刑。

【田中新一】太平洋戦争開戦時の参謀本部作戦部長であり、対米開戦の主導者であったが、なぜか戦犯として起訴されなかった。

プロローグ(2)

★若槻内閣の後継の犬養内閣において一夕会の推す荒木貞夫が陸相に。陸軍首脳部が一新され、その後、永田ら一夕会系幕僚が中枢を掌握。以後、陸軍の政治的台頭が本格化。

★山縣、桂、寺内、田中義一ら、陸軍指導者が個人として政治権力を掌握しようとした例はあるが、陸軍が組織として政治を動かそうとするのは新しい志向であった。

★なぜ満州事変が引き起こされたのか、どうやって一夕会グループが形成されていったのかは、大正中期まで遡らないといけない。

♨【一夕会主なメンバー】

<15期>

河本大作(1883.1.24-1955.8.25)兵庫県出身。張作霖爆殺事件の首謀者とされている。

<16期>

永田鉄山(1884.1.14-1935.8.12)長野県出身。相沢事件で暗殺。

小畑敏四郎(1885.2.19-1947.1.10)高知県出身。皇道派。対ソか対支かを巡って永田鉄山と対立。

岡村寧次(1884.5.15-1966.9.2)東京都出身。終戦時、100万の「支那派遣軍」を率いていた。

板垣征四郎(1885.1.21-1948.12.23)岩手県出身。柳条湖事件を首謀ほか。東京裁判で死刑。

<17期>

東条英機(1884.7.30-1948.12.23)東京都出身。

<18期>

山下奉文(1885.11.8-1946.2.23)高知県出身。皇道派と目されていた。「マレーの虎」。

<21期>

石原莞爾(1889.1.18-1949.8.15)山形県出身。満州事変をおこす。のち東条と反目。

<22期>

鈴木貞一(1888.12.16-1989.7.15)千葉県出身。木曜会を組織。東条の側近に。100歳まで生きた。

牟田口廉也(1888.10.7-1966.8.2)佐賀県出身。インパール作戦を指揮。

<23期>

根本博(1891.6.6-1966.5.24)福島県出身。終戦後、極秘に台湾に渡り共産党軍を撃破。

岡田資(1890.4.14-1949.9.17)鳥取県出身。大岡昇平「ながい旅」の主人公。B級戦犯として絞首刑。

<25期>

武藤章(1892.12.15-1948.12.23)熊本県出身。統制派だったが東条と対立。

田中新一(1893.3.18-1976.9.24)北海道出身。対米開戦を主張し、慎重派の武藤と対立。

続きは【読書メモ】で。

【読書メモ・年表編】
石原莞爾の作戦部長辞任までを前編、その後を後編という区切りを示した。最も混迷な時期に、永田鉄山、石原莞爾という2人の巨頭が居なかったことが日本にとって不幸だったのか、あるいは居てもどうしようもなかったのか、居たら余計に悪い方向に走っていたのか、専門家の意見を知りたい。

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