こんにちは。
今回ご紹介しますのは、「南北朝時代第2期⑪:1351年2月」です。
尊氏軍と直義軍は打出浜(兵庫県)で一大決戦を行います。
結果は直義軍の勝利。
執事として長く足利家を支えてきた高師直・師泰らは深手を追ったうえに出家させられます。
さらに京都へ向かう道中、父親の仇を誓った上杉重季により殺害されました。
師直・師泰の死により、幕府は新たな局面を迎えることとなります。
観応2年/正平6年(1351年)2月 年表
2/3 | 足利直義、上杉憲顕の上洛を制止する ※関東は直義方が制覇しており、多くの東国武士が直義のもとに馳せ参じていた。 ※しかし、直義は最も頼りとなるはずの憲顕の上洛を禁じた。 |
2/4 | 足利尊氏-高師直軍、石塔頼房が籠城する播磨国光明寺を攻撃する ※しかし、攻めあぐねる。さらには師直の滅亡を暗示する和歌が空から降ってくる。 ※赤松則祐、尊氏に無断で戦線を離れ、本拠地播磨国白旗城へ帰る【謀反の兆し】。 |
2/5 | 足利直義、長井広秀などを南朝に派遣し、銭1万疋を献上する ※この頃から南朝との講和交渉が開始されていた。 |
2/6 | 足利直義、近江国園城寺に対して、東国の軍勢が瀬田を渡って上洛できるように船を用意することを命じる ※12月4日に石塔頼房が橋を焼き払っていた【こちら】。 |
2/8 | 上杉憲顕の息子(あるいは弟)の東国軍が入京 |
2/9 | 細川顕氏・頼春軍(四国)、書写山坂本に在陣する尊氏-師直軍を攻撃する ※尊氏軍は損害多く、尊氏は法華寺に籠もる。 ※細川頼春(阿波・伊予守護)は尊氏派として語られることが多いが、今回は従兄弟である顕氏に従って尊氏を攻撃した。 |
2/12 | 畠山高国ー国氏父子(尊氏方)、吉良貞家(直義方)の攻撃により陸奥国岩切城で自害 ※関東に続き、東北地方でも直義方が勝利 |
2/14 | 足利尊氏、光明寺の包囲を解く ※畠山国清、小笠原政長らが石塔頼房の応援に向かったため |
2/15 | 尊氏-師直軍、懸河に陣を移す ※この日、上杉重季(しげすえ:高師直の指示で殺害された上杉重能の息子【こちら】)が入京 |
2/17 | 打出浜の戦い(兵庫県芦屋市) ※大激戦となったが、師直、師泰が負傷するなど尊氏軍の被害が大きかった。 ※ちなみに尊氏は摂津国兵庫、直義は山城国八幡に本陣を張っており、両大将とも戦場にはいなかった。 ※尊氏軍を最後まで支えたのは高一族と赤松範資(播磨守護)。 ※他に目を向けると、丹波に義詮、備前に石橋和義、備中に南宗継、九州に一色親子くらい。 |
2/20 | 尊氏、直義に和睦を乞う ※饗庭命鶴丸を派遣。 ※師直・師泰の出家を尊氏が提案。 |
2/21 | 丹波の義詮が京都に攻め上がるとの情報が入る ※上杉氏、諏訪氏ら(直義派)が応対 |
2/22 | 尊氏の土御門東洞院邸、全焼する |
2/23 | 山名時氏(直義派)、北丹波の荏原で戦う |
2/24 | 高一族、出家 |
2/25 | 直義息子の如意王、病死 ※わずか5歳。 ※以後、直義の消極性は加速。 |
2/26 | 高師直・師泰ら、高一族が摂津武庫川で誅殺される ※師直・師泰らは京都へ向かう尊氏一行にお供したがったが、尊氏は見苦しいとこれを一蹴。尊氏の三里ほど後ろを行くことになった。 ※摂津国武庫川鷲林寺前で上杉修理亮(おそらく実子の重季)の軍勢500騎に待ち伏せされて、高師直・師泰ほか一族が惨殺される。重季は父の敵を討った。【こちら】 ※師直・師泰のほか、師兼(三河守護)、師夏(師直嫡子)、師世(前執事、)、師幸(師直従兄弟)、師景(師直甥)、南遠江兵庫助(南宗継息子)、彦部七郎(かつて河内国の荘園を押領)、河津氏明(大旗一揆の盟主)ら。 ※尊氏が密かに饗庭命鶴丸を通して命じたという説もあるが、疑問。 |
2/27 | 尊氏、帰京 ※上杉朝定(直義派)邸に宿泊。(自宅は焼けていたため) |
2/28 | 直義、帰京 ※細川顕氏邸へ。石塔頼房らが従う。 ※ちなみに1351年は元で紅巾の乱がはじまった年でもある(→1368年、朱元璋が明を建てる) |
尊氏さまが攻めてきたか…
よろしい、迎え撃とう!(4日)
援軍に駆けつけますぞ。(9日)
俺も。任せとけって。(14日)
いいのかなぁ?
この私を敵にしちゃって。
尊氏さま、残念ながら東北も直義ちゃん方の手に落ちました…
次の戦いはおおいくさになるな…
よし、打出浜で戦だ!
OK.
相手にとって不足なし!
ひねりつぶす!
おぅ、やってみろ!
ようやく見つけた…
高兄弟め…
うう、うう…
直義さまは参戦なさらないのですか?
すまん、如意王の具合が悪くて…
ううううう、とんでもない重傷を負ってしまいました…
同じく。敵もだいぶやっつけたけど、俺もヤバいです。
そうか。まあ、2人ともよくやったよ。今までね。
この借りは次の戦いで返したい…です…
え??次??
次はないよ。
お前たちね、出家することが決まったの。
ええ??
そ、そうなんですか??
和睦条件がそれなんですね??
では、京都まで一緒に行きましょうか…
え??
オレ、怪我人とか嫌いなの。
気悪いし、ちょっと離れて。
…。
師直たちが尊氏さまから離れた!
今がチャンス!
父の恨み、果たすぞ!!
ここまでか…
直義さまも、これで心が晴れたでしょう!
如意王が死んでしまった…
せっかく出来た子だというのに(涙)…