~只今、全面改訂中~

☞【“平均的アメリカ人”の出現】「1920年代、アメリカの繁栄」

こんにちは。

今回ご紹介しますのは、「1920年代、アメリカ」についてです。

この時期に「平均的アメリカ人」という概念が出現しました。

以下、『シリーズ アメリカ合衆国史③20世紀アメリカの夢』(中野耕太郎、2019年、岩波新書)の【第3章-2】を参考にさせて頂きました。(前項はコチラ

1920年代はアメリカにおける「新しい時代」の幕開けでもありました。

繁栄の20年代

★1922年には戦後不況は終焉し、未曾有の大好況となった。1928年までの7年間のGDP伸び率は40%(!)。フォード車はその代表。石油、電力産業も好況。

T型フォード

★娯楽も栄え、ジャズや映画も盛況。黒人のジャズを白人が聞く。人種の壁はこういった場面では関係ない。

この時代、既にクレジットカード払いが一般化していたというのがスゴイ。

平均的アメリカ人

★この時期、「平均的アメリカ人」という概念が生まれた。

(歴史学者オリヴィエ・ザンズ)

「平均的アメリカ人」=「文化的に平準化され、中流意識を獲得した新しいアメリカ国民像」

★新進の広告技術でこの「規格化された中流」像が宣伝されると、人々は進んでこれに接近していった。

つまり、戦間期の大衆消費社会は行動経済学的に発生したものだという

この志向は欧州にも飛来した。欧州でもジャズやハリウッド映画が流行する。そして、彼らは豊かなアメリカ人の生活様式を模倣した。

(※CM効果も抜群。)

★文化の画一性をもってして世界の平和が促進されると信じるものもいた。

1920年代の大衆社会

★このような「大衆社会」に対しての批判も生じた。

「不完全な情報認知」に依存した「民衆自治」は危ういので、専門家が政治を行なうべきということを主張もみられた。

(※人々は常に歪んだ情報を受け取っている。)

★当時、投票率は大幅に低下。

民衆は「自分たちが、理解したりあるいは統制したりするにはあまりに巨大な力の流れにとらえられている」と感じ、「政治行動の有効性に対して・・・懐疑的に」なっているというのだ。

現代にも言えんかね?
民主主義が危機を迎えている?

新しい潮流―フェミニズム

★政治に無関心な層が増える一方で女性と黒人は存在感を増した。女性参政権が批准されたのもこの時期である。

★助産師が免許制になったのもこの時期。

新しい黒人

★アメリカ黒人は破約から帝国主義と人種主義、そして世界大戦の密接な関係を指摘していた。しかし、旧来のアメリカ黒人はアメリカ自身の植民地支配には無自覚であった。

★西インド諸島出身のマーカス・ガーヴェイの運動は、アメリカ黒人のアフリカ人としてのアイデンティティを強く喚起するもので画期的であった。

★また、米海兵隊によるハイチ統治を糾弾したJ.W.ジョンソンなども現れた。

【追加】1920年代とベーブ・ルース

1920年代アメリカン・スポーツといえば、ベーブ・ルースでしょうか。

元々は投手でしたが、1920年にニューヨークヤンキースに移籍してからはほとんど打者として過ごしました。

通産12回の本塁打王に輝いております。(1918年 – 1921年、1923年、1924年、1926年 – 1931年)

それでいて通産打率.342って凄すぎる!

書籍はコチラ

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