~只今、全面改訂中~

☞【第1次世界大戦後に日本社会はどうに変化したのか】『戦争とファシズムの時代へ』(河島真、2017年)より

こんにちは。

今回、ご紹介しますのは本書にあります「第1次世界大戦後の日本社会の変化」についてです。

吉川弘文館の日本近代史シリーズ「戦争とファシズムの時代へ」より。このシリーズ、偏りもなく、丁寧で、すごく良いです。

それと、よくこれだけ難しい内容を短い言葉でわかりやすく表現できるな・・・と感心しきりです。

「第1次世界大戦後に都市および都市人口が増えた。」

第1次世界大戦後の都市の発展は日本社会を大きく変容させました。

この時代に「都市」が増え、「都市人口」も大幅に増えたのです。

なんと、

1920年から1935年の間に「都市」にいる人口は675万人から1752万人に増加(!)。

都市には就労を求めてイエ、ムラから離れた人が集ましました

それだけ都市に人口が流入したわけですね。

旧来の商工業者に加えて、新しい都市の担い手として「サラリーマン」と「知識階級」が出現したのもこの時期です。

武者小路実篤の「友情」(1920年)はこの時期の高等教育を受けた学生と富裕層の女性の恋愛をテーマとしています。
お坊ちゃま集団と揶揄されることもある「白樺派」ってやつですね。

他には「暗夜行路」の志賀直哉さん、「生まれ出る悩み」の有島武郎さんも白樺派ですね。

小津安次郎監督の映画「大学は出たけれど」は1929年でしたかね。

「高等遊民」という言葉もありますね。

ちなみに芥川龍之介の自殺が1927年です。

マスコミも普及。

マスコミも普及しました。

1925年にはラジオ放送も開始します。

雑誌「キング」は発行部数100万部

1925年に発刊した雑誌「キング」は発行部数100万部を突破しました。

キング創刊号

ほかには、1冊1円の「円本」なども普及しました。

ほか、「主婦の友」、「改造」なども普及しました。

江戸川乱歩が活躍したのもこの時期です。(「新青年」(1920年~))

 
都市やラジオや国民的雑誌によって、「国民の均一化」が進んでいく、と理解しても良いのかな。

【追記】コロナで都市への集中は是正されるか?

さて、現在、コロナ禍が大都市を直撃しております。

これを機会に長年の懸案事項であった「東京一極集中」は是正されるでしょうか。

(この機会に是正されなければ、今後も是正されないと思いますけど・・・。)

知人のご親族が勤めておられるIT系の会社では、リモートワークが可能であることに気付いたこともあり、東京にあったOfficeを縮小。

その分の浮いた経費を社員の給与にまわすことで社員の給与が月7万円増えたそうで、大喜びしているようです。

東京に本社を持つことは一つのステータスなのかも知れませんが、今後、そういう価値観も変わる、でしょうか?

大学なども率先して地方に分校でも作って、できる授業は始めれば?、将来的に地方も活性化して良いことづくめ、と思うのですが、どうなんでしょう。

他書紹介(大正時代本は少ないので貴重です。)

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