こんにちは。
今回ご紹介しますのは、「どうしても頑張れない人たち」(宮口幸治、2021年)です。
日本史とは全く関係ありませんが、広く「勉強」ととらえると関係あるでしょうか。
まず、率直な感想としまして、頭をトンカチで「が~ん」と殴られたような気分でした。
これまで研修医教育などに関わってきましたが、なんせ今まで「頑張れない人」というのは
「本気じゃない」、
「向いてない」、
「ジェネレーション・ギャップ」
などと勝手に思い込んでいたからです。
しかし、本書を読んで「(頑張りたくても)どうしても」頑張れない層がいるということがわかりました。
そして、彼らの根本的問題を解決していない状態で、彼らに対して
「やればできる!」
とハッパをかけたり、
「将来のためだ!」
とか諭すのは、かえって逆効果となる危険があることもよーくわかりました。
(ましてや、怖い顔して言っていればなおさら。)
前作「ケーキの切れない非行少年たち」が大ヒットとなった児童精神科医の新書ですが、本書は日本社会を変え得るんじゃないか、とすら思いました。
大小問わず教育に携わる全ての方にオススメです。
目次
第1章:「頑張ったら支援する」の恐ろしさ
第2章:「頑張らなくていい」は本当か?
第3章:頑張ってもできない人たち
第4章:やる気を奪う言葉と間違った方法
第5章:それでも認められたい
第6章:支援者は何をどうすればいいのか
第7章:支援する人を支援せよ
第8章:”笑顔”と”ホスピタリティ”
※お時間のない方は第1章と第6章~第8章までを読まれるのが良いかと思います。
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【追記1】
ただ問題なのが、「頑張れない」層と、「頑張らない」層の見分け方。
「頑張らない」層をカモフラージュしているけど、実は「頑張れない」層という人もいるので、事態は複雑。
とりあえずすぐにでも出来そうなことは、鬼教官になることや、相手の興味を探るのではなく、単に話しかけられやすい環境作り、かと。
天の岩戸じゃないけれども、ドアは内側からしか開かない。
【追記2】
あと、はっとさせられたのが第7章「支援する人を支援せよ」。
恥ずかしながら今まで会議などは「ディスカッションする場、答えを見つける場」と考えておりました。
しかし、いちばん大事なのは「支援者どうしの諍いが起きないように慎重に調整する場」であるのかも知れませんね。
コロナ関連の不毛な議論を見ていると尚更そうした思いが増します。