~「もう一つ上の日本史」出版に伴い、勉強方法も変える必要が出たので、全面改訂突入します~

☞【サブリミナルなんて嘘だった】『本当は間違っている心理学の話』(スコット・O・リリエンフェルド、2014年)

現在社会には心理学を用いて金儲けをしようとしている「通俗心理学産業」がはびこっている。

何百冊もの自己啓発本、人間関係本などはその一部であろう。

それらは間違いに溢れているにも関わらず、驚くべきスピードで拡散し、一方で正しい情報と峻別する本は少ない。

→よって、本書を読もう!

 

ちょっと息抜きに。

歴史にしても、心理学にしても、固定観念をゼロにすることで見えてくるものがある。

以下、読書メモ。

§0.心理学神話の世界

「反対のパーソナリティの異性に惹かれる」「かわいい子には旅をさせよ」「慣れ過ぎは侮りのもと」「寄らば大樹の陰」は、心理学的には間違いが立証。

こういう言説は【通俗心理学産業】によるものだが、「適度に運動しろ」とか役に立つようなことも言っていたりするので全否定するものでもないものの、間違いが多い。

間違いの原因

①口コミ

②簡単な解答と手早い決着への欲求(ダイエットも)

③選択的知覚や記憶(「満月の夜に何も起こらなかった…」では話にならない)

④相関から原因を推論する(親に体罰されると体罰おこす、みたいな推論。)

⑤このあとに、ゆえに、このために(プラシーボ)

⑥偏った例示(統合失調症患者のサンプルが偏っていたり)

⑦代表例からの推論(映画などの見過ぎ?)

⑧誤解を生む映画やメディアの描写(電気痙攣療法とか、サヴァン症とか)

⑨真実の核心を誇張する

⑩用語上の混乱(精神分裂病とか、催眠とか)

「常識はそれほど常識的ではない」-ヴォルテール

「知識は力なり」-フランシス・ベーコン

§1.脳が秘めた力ー脳と知覚をめぐる神話

①人は脳の10%しか使っていない→そういって潜在能力を引き出そうと喧伝する不当な輩が。

②左脳人間と右脳人間がいる→ふつう、両方使ってるでしょ

③超感覚は科学的に確立された(→確認したいことは思い出すようになっているだけ)

⑤サブリミナル効果でものを買わせることができる(→でっちあげ)

§2.人が死ぬまでに経験することー発達と加齢をめぐる神話

⑥モーツァルト効果で子供の知能が向上する→まさに産業

⑦青年期は心理的に不安定である→20%の人くらい。10代で問題を起こさなかった人がその後問題を起こすと言うデータもない。(♨更正した不良はエライ的なものはない。)逆に「青年期」のひとことで片付けてしまうことが問題。

⑧40代から50代前半に中年の危機が訪れる→映画の恰好の題材。ちなみに空の巣症候群も然り。

⑨高齢者は不満が多くなり、心身ともに衰えが増す→ドラマの影響?マイナス面を煽り過ぎ。本当は最も幸福度が高いという結果も。(抑鬱は15%だが、これは加齢によるものではない。)

⑩余命を知ると、誰もが同じ心境の変化を経験する→キュブラー・ロスが提唱したDABDA(否認、怒り、取引、抑鬱、受容)のうち、多くの人はまず「受容」だったという報告も。

あまりに有名になりすぎたせいか、5コマギャグマンガなどの題材に使われることが多い。

§3.過去の出来事の思い出ー記憶をめぐる神話

⑪人は過去の出来事を正確に記憶している→そんなわけない

⑫催眠術で忘れた記憶を取り戻せる→効能もあるが。

⑬トラウマ的な出来事の記憶は抑圧される→真実ではないことも。

§4.学習効果の高め方ー知能と学習をめぐる神話

⑮IQテストは特定の人には不利になる→多くの能力を妥当に予測

⑯試験に自信がないなら最初の直感を信じるのが一番

生徒の学習スタイルに合った指導で最高の学習効果が得られる→多くの教師は熱狂するが。逆に重大な害を与えている可能性も。(ただ、生徒の能力を引き出すのが上手な先生はいると思うが・・・)

§5.こころの奥をのぞき込むー意識をめぐる神話

⑲催眠は目覚めているのとは違う「トランス」状態である→普通に起きている状態。

⑳夢には象徴的な意味がある→まあこの手のものは買っちゃダメ

㉑睡眠学習は効果的な方法である→そんなわけないだろう

§6.気の持ちようで変わることー感情と動機をめぐる神話

㉓嘘発見器は確実に嘘を見破る

㉔幸せは生活環境で決まる→眠りの質が指標。多くの人は順応。

㉖ポジティブ思考でガンを克服できる(※これ、ホント、危険。)

§7.他者との良好な関係を築くためにー対人行動をめぐる神話

㉗自分とは違うタイプの人に惹かれる→それをすると無駄な時間を費やすことに

緊急時、数多ければ安全である→大勢の方が危険なのは明らか

㉚怒りは抱え込まず発散した方がよい→自分の憤りを穏やかに主張する方が葛藤解決に役立つ。メディアは攻撃的に振る舞うことを煽りがちだが。

§8.自分の内面に目を向けるーパーソナリティをめぐる神話

㉜遺伝的な特性は変えることができない→環境の影響を無視することはできない。フェニルアラニンを避ける必要はある。

㉝自尊心の低さが心理的問題の原因だ→自尊心ブームがあるが、これらと精神的不健康さは関係ない。ただ、高い自己認知は錯覚でもある。自尊心の高い人の方が暴力的でもある。

㉞幼児期の性的虐待は深刻なパーソナリティ障害を引き起こす→子供の立ち直る力を過小評価せぬよう

㉟ロールシャッハテストでパーソナリティがわかる

㊱筆跡にはパーソナリティが現れる

§9.こころの病気への対処ー精神疾患をめぐる神話

㊲精神医学的診断名は差別のもとになる→ローゼンハンの研究は不明な点が多い

㊳自殺するのは重いうつ病患者だけだ

㊴統合失調症患者は多様なパーソナリティをもつ→解離性同一障害のこと

㊵アルコール依存症の親を持つ子供はすぐにわかる

㊶幼児の自閉症が急増している→ワクチンのチメロサールが引き起こすと信じる人も。オバマの選挙演説も。自閉症は診断基準がゆるくなったのが増えた原因。自閉症の人が特別なスキルを持つと言うのも神話であり10%未満。自閉症でない人は1%。レインマン効果とも。

§10.犯罪者の取り違えー心理学と法律をめぐる神話

㊸精神病の人は暴力的である→映画の影響?

㊹犯罪プロファイリングは事件解決に役立つ→たった27%。

§11.こころの問題を解決するー心理療法をめぐる神話

㊼臨床場面で一番頼りになるのは専門家の判断と直感だ

㊽アルコール中毒の現実的な治療法は禁酒である

㊾幼児期の心理問題に対峙させる心理療法は効果がある→治療効果を上げるには過去を振り返る必要はなく、前を向いていくのが良い

㊿電撃療法は残酷で身体にも悪い→これほど誤解に満ちた治療法はない(効果良なのに。)

あとがき

「疑似科学への最良の解毒剤は純粋科学である」-カール・セーガン

本当だけど信じがたい発見

★左脳の前頭葉損傷により重度の言語障害をもった患者は通常の人よりも虚偽検出能力に秀でる。

★まれに共感覚と呼ばれる異種感覚をもつ人がいる。ある単語を見た時に色まで見えるとか。

信じられないほど多くの人が自分の名前と似ている場所に住んでいる。「潜在的エゴイズム?」

★握手の仕方はパーソナリティを表す。

★温かいものを手にしていると温かく接することができる。

まとめ

★私たちの最初の直感や第一印象は、人を「値踏み」したり感情的な選り好みを予想するには有効かも知れないが、世の中の出来事について科学的な評価をする際はたいてい不適切である。

★「口コミ」で広がる多くの信念は都市伝説以上のものではない。広く行き渡った信念が正しいと決めてかかるべきでもない。常識は疑うべき。

★メディアによる情報はしばしば間違っている。センセーショナルな事柄の頻度を過大評価する、そうではないことを過小評価する、が常。メディアは話を面白いものに仕立て上げるために、ときどき複雑な事柄を単純化しすぎたりする。うまい話が本当の話ではない。

★偏った本からは偏った結論が出される。おかしい人に最初に会うと、研究結果はしばし歪められる

★ある種のバイアスは私たちを間違った結論に導く。

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