~「もう一つ上の日本史」出版に伴い、勉強方法も変える必要が出たので、全面改訂突入します~

☞【メダカにも個性がある!『個性は遺伝子で決まるのか~行動遺伝学からわかってきたこと~』(小出剛、2015年)】

メダカにも個性がある。
「行動遺伝学」は面白い。

§0.はじめに

自分を見る時は心の目を通して見ている。そのため、他人と自分は違う、と思っているが、はたしてどこまで違うのか。そして、その「個性」が生み出される原因は何か?

★それを祖先に求めるのは世界共通である。ただ、20世代前にもなると、100万人以上祖先がいることになるので意味のない議論である。両親、祖父母など近いところに求めることもあるし、血液型などの無意味な疑似化学に求めることもある。

★過去の経験に求めることも当然ある。教育は、「このようになって欲しい」と思う方に経験を重ねることで性格を導いている。また、うまくいかなかったときは、甘やかしたからなどと原因を求めることがあるが、そんなのは身も蓋もないだろう。

☞本当のところはどうなのだろう?

§1.社会と個性

個性的な人材が求められているとは言うが、個性は全てプラスに働くとは限らない。ここに個性の難しさがある。何かに秀でていてもどこかに欠点をもっていて、会社や社会で役に立たなそうなものでも、間接的に、あるいは後になって役に立つこともあるかも知れない。そういうことを誰も予測できない

メダカの集団にも個性がある。人影が見えるとすぐに逃げる集団もいれば、そうでないのもいる。

♨単細胞生物レベルにも個性はあるだろうか?あるんだろうな・・・

臆病なメダカは生存率は高くなるかも知れないが、警戒心が強く、餌をとったり繁殖する際の効率は悪く、繁殖率は低下するかも知れない

★野生メダカを交配させ系統間の特徴を調べた竹内秀明らの研究によれば、遺伝的に異なるメダカは視覚刺激に対する逃避反応が顕著に違っていることが示されたそうだ。

種の中の個体が多様であることはリスクを分散させる意味でも重要。多様性の少なくなった種は場合によっては生存できなくなる。集団が小さくなった動物が絶滅しやすい原因は近親交配を繰り返すことによる繁殖力の低下と、個体の多様性の減少による適応力の低下。

♨自分と違う人と結婚するのは、それなりに理に適っているのかも知れないが、違いすぎるのは無駄な時間を過ごすことになることにもつながる。

本当は間違っている心理学の話はコチラ

★社会は多様性によって支えられている。

§2.個性とは何か

★「個性」と「特徴」は異なる。「個性」は本来内なる性質を示していて、外見的に目立つものは「特徴」と表現する方が適切である。

★心理学の分野では性格をつくる5因子(ビッグファイブ)が提唱されている。これは万国共通のヒトの性格を表現する安定した指標である。

♨単語から得られる印象とはやや異なるので注意して見るべし。

外向性 高い人:社交的で人との関係をもつことが多く、温かく接することができます。さまざまなものに対してポジティブな感情を抱く傾向を示します。活動的ですが刺激を求めて危険を冒す傾向もあります。

低い人:慎重な傾向が強くなり、一人で過ごすことが多くなります。感情的にも起伏が少なくなります。
神経症傾向 高い人:生活するうえでさまざまなストレスに対する感受性が高く不安傾向が高くなり、そのため情緒的に不安定になりやすい傾向があります。自意識が高く、社会で他人と関わる場合には劣等感などから混乱しやすい傾向があります。

低い人:他人と友好な関係を築くことができ、気分も安定して穏やかになります。ストレスに対しては感受性が低く、どんなときでも冷静に対処できます。
調和性 高い人:人を信頼し共感することができ、振る舞いが誠実になります。他人のために行動することができ、寛容な性格になります。他人との関係で安定や調和を大事にするのです。

低い人:非協力的で敵対的な傾向が出てきて、懐疑的になるため、他人と一定の距離をとるようになり、自分の利益を優先するようになります。
誠実性 高い人:自己管理ができ、物事に集中してあたることができます。自分の目標をしっかりと立て、順序立てて物事を進めることができます。倫理的で規則を順守します。

低い人:自分の目標を立てるのが苦手で、衝動的で不注意な行動や非倫理的な行動を起こす傾向が強くなります。物事の段取りが苦手で、集中力に乏しく、ハードワークができません。
開放性 知的好奇心とも呼ばれ、さまざまな物事に興味を示す傾向をあらわします。

高い人:新しい知識や美を追求することができ、論理性よりも情感を重視します。自由な発想やユニークなアイデアが得意になります。

低い人:現実的で保守的な傾向が強くなり、習慣や規範を重視して生活のパターンを変えるのが苦手になります。対人関係においては共感性に欠け、場の雰囲気を呼んだり、柔軟な発想に理解を示したりするのが苦手になります。

★これらはそれぞれ独立性が高い。ニューカッスル・パーソナリティ評定尺度表(2009)などが用いられる。

★fMRIでの研究から性格と脳は関連があることもわかった。

§3.個性に関わる遺伝と環境

Nature or Nurture?(※この言葉を最初に用いたのはゴルトン)と言うのは古くからの疑問である。

日本にも「氏より育ち」と言う言葉がある。

「遺伝は人が目指す先を決め、環境は人をそこへ向かわせる」という言葉も1582年のイギリスでは存在する。

行動遺伝学の結果からは両方大事であるということが判明している

★一卵性双生児の研究の結果、多くの類似点が判明。(※同じプレゼントを買う話など)養育環境を変えた例でも同じ。

★ただ、環境要因は当然大きい。PTSDなどが良い例。

★アルコールに対する反応などは「遺伝と環境の相互作用」の例。

★孟母三遷は正しい。

(※最初の家は墓地の近くで葬式のマネばかり、次は市場の近くだったので商人のマネ、最後に学問所の近くに引越したら学問をした、という話)

§4.遺伝子とその変異がもたらすものとは

★ゲノムは全体の鉄道網、染色体はそれぞれの路線(ヒトでは23本)、DNAはレール、遺伝子は駅。路線がダメになると鉄道網は機能しないし、レールが壊れると路線はストップする。

(♨このたとえはわかりやすい。)

★1つの違いで白色マウスが生まれたりする。

★アルコールの感受性はアルコール脱水素酵素とアルデヒド脱水素酵素(アルコールをアセトアルデヒドに変える)の遺伝子が影響。西洋人に比べて日本人は酒に弱い人が多いのは事実。

§5.遺伝子と心の病気の関係を探る

★統合失調症との関連が疑われる遺伝子はあるが証明は難しい。

(♨これに関してはアダム・ラザフォード先生の著作の方が正しいのではないか?と思う。つまり、こういうのはたいてい信じなくて良い。)

§6.個性を決める遺伝子は本当にあるのか?

ありふれた疾患の原因遺伝子も10個以上、場合によっては100個以上の遺伝子が関係しており、それぞれの効果は少ない。実験によるばらつきも。さらに相互作用もあり、なかなか病気や性格に関する遺伝子を明らかにすることは難しい。

§7.個性に関わる遺伝子をマウスで調べる

★略(♨うーん…、どうも納得いかない。)

§8.個性研究の最前線

★アンジェリーナ・ジョリーはBRCA1遺伝子変異がわかったことから乳房を切除し再建。また2015年3月に卵巣に小さな腫瘍が見つかったことから卵管と卵巣も切除。

★23andMe会社が2013年、デザイナーベビーを特許申請。しかし現実的ではなかろう。(23andMeはCEOがグーグル創業者のひとりの配偶者)

★遺伝子検査は全ゲノム配列ではなくSNP(DNA塩基配列で一塩基だけ異なる部)を調べる。これは全体の塩基の違いに対してほんの一部。全体を知るには不十分

★遺伝子診断サービス会社により結果は異なる。現時点で病気に関しては信頼性の高い予測は望めそうにない。(1970年代の天気予報よりひどい。

§9.思ったより複雑な個性と遺伝子の関係

★関連遺伝子が存在するが、ランダムに選ばれてさらに新しい組み合わせができるので、親の表現型はもはや遺伝しているとは言い難い。生殖細胞をつくるときに部分的に組み替えているのでなおさら。

受精卵ができた時点で膨大な可能性の中から偶然生じた組み合わせ個人の個性を形成している

★エジソンも黒柳徹子も小学校退学。ただその際、家族など個性を大事にしてくれる人がいたために今に至ったわけである。

★遺伝子診断サービスは現時点では「1970年代の天気予報よりひどい。全体像は調べられない。」とのこと。それを知ったうえでやってみたい方は【コチラ】。

(自分の意見として)

♨個性は遺伝子による影響はあるが、どの遺伝子がどのように影響を及ぼしているのかは誰もわからない。

♨人間界には一卵性親子は存在しないため、親と子供は「別人」であるはずだが、親はつい自分の子供に自分の思考を押し付けがちであり、そのことがプラスに作用する場合もあれば、マイナスに作用する場合もある。

♨「環境」はもちろん大事であるが、どういった環境が本人をプラスに向かわせるかは誰にもわからず、一時的にプラスに向かったとしてもロングショットで見れば、マイナスであるかも知れず、結局、人間、何がプラスに作用するのかはわからない。

♨育児に正解などないが、生きていくうえで必要な最低限の知識や法律は教えないといけないとは思う。

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