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☞【夏目漱石は享年49】『45歳の教科書』(藤原和博、2021年)

こんにちは。

今回ご紹介しますのは、「45歳の教科書」(藤原和博、2021年文庫本化)…。

つまり、日本史とはあんまり関係ありません。

しかし、内容はなかなか面白いものでした。

まず、「人生のモードを変えるには3つの方法がある」、とのこと。

これ、非常に的確ですけど、なかなか実践できる人って少ない、と思います。

その3つとは、

① 病気を武器にすること

② 海外に出ること

③ 自分の思いや悩み、不満に思うことを書いてみること

です。

個人的に思いが深いのが①。

「病気」を「武器」にするっていう発想、なかなか普通は起きませんよね…

僕自身はフリーランスの医者をやっておりまして、そのことに全く不満はないのですが、フリーランスとなった1つのきっかけは妻の「3年連続流産」でした。

これを機に妻(小児科医)は一時職を離れ、「何もしていない」(実際はヨガのインストラクターの免許を取りにコロンビアに行ったり、ゲームにはまったり)状態が続きました。

今までダブルインカムでしたが、自分がもっと稼がなねばと思い、いろいろ融通のきくフリーランスとなったのです。(そもそも医者を公務員法で縛ることが問題とは思いますが、それはまた別の機会で)

もう15年も昔のことでしたが、ふとそんなことを思い出しました。

しかし、大事なのは、それだけではありません。

まず、著者が提案しているのが、「キャリアの大三角形」

何のことかと言いますと、「No.1」を目指すのもいいけど、「いろいろなキャリアを掛け合わせることで、自分自身が希少化するぞ」ということでしょう。

ただ、これ、別に著者に言われなくても、特別なネーミングがつかなくても、わかりますよね。

「普通にかわいい子」より、「かわいくって、気配りもできて、面白い」方がそりゃ希少性は高まるでしょう。そんな感じです。

そして、「最初の段階で100%やりたい仕事に就いている人はいない」と喝破し、

「次の1歩目に踏み出すには、とにかく読書、読書で表現力を身につける」(ちなみに現代の優秀な編集者はおもしろい部分を最初にもってくるので、本は最初と最後だけ読めば良い、とも【こちらに通じます】)と述べ、

さらに、「サラリーマンが向いている人は全体の2割位じゃないか」「サラリーマンにとって最大のリスクは上司」と独立志向を提案しております。

僕自身、割と考えが近い人ですので、すんなり読めました。

とはいえ、サラリーマンで、会社に不満なく働ける人がいたとすれば、その人が一番幸せだと常々思います。(これマジ)

「45歳の教科書」とありますが、厳密にはおそらく「30歳」、あるいは「25歳」くらいから読んだ方が良いのではないか、と思う本でした。

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元々は2018年に出版。2021年、文庫本化。

45歳の教科書 モードチェンジのすすめ (ちくま文庫 ふー29-19) [ 藤原 和博 ]価格:880円
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たしか藤原和博さんは「40歳の教科書」でも読んだ気がします。

日本史との接点

日本史との接点があるとすれば、「秋山真之も夏目漱石も49歳で死んだ」というところくらいでしょうか。

つまり、明治の人は「40代過ぎれば残りは余生」という感覚だった、というわけです。

でも、現代人は違うでしょ、だから、違うモデル、山をいくつも作るようなモデルが必要、という点でしょうかね。