こんにちは。
今回ご紹介しますのは、『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』(江崎道朗、2016年、祥伝社)です。
ヴェノナ文書の存在が明らかになったことなどにより、太平洋戦争時におけるソ連スパイの暗躍は白日のもとに晒されてきました。
「スパイ」といいますと、いかにも怪しい雰囲気をもった人物をつい想定してしまいますが、
実際は実に巧妙でして、「敵」と「味方」を峻別することは非常に難しいな…と感じました。
さらに、「敗戦革命」という思想には驚かされました。
以下、ダイジェストです。
「敗戦革命」とは
『敗戦革命』とは、
資本主義国家同士の対立を煽って戦わせて、各国スパイは自国が負けるように誘導すること
だそうです。
「資本主義ではダメだ」と思わせて混乱させ、弱ったところを攻撃することで国を乗っ取るんですって。
これを考えたのはレーニン。
「反ファシズム路線」が大当たり
ただ、この方法では日独の膨張スピードに追い付かず、ソ連そのものがやられてしまうと危機感を覚えたため、
とりあえず「敗戦革命」論を隠して、米英と組み「反ファシズム路線」に行くことにしました。
そして、民主党政権内、自由主義者団体、プロテスタント系団体、作家連合、労働組合、マスコミなどに工作をかけたところ、これが大当たりでした。
日本もやられましたが、それ以上にアメリカはソ連からの大量スパイによって牛耳られ、
結果、戦争に誘導されたと言っても過言ではありません。
そして、その系譜は現在まで尾を引いているというのです。
「ヴェノナ文書」とルーズベルト
これらの情報は、冷戦崩壊で不要となったヴェノナ文書(在米スパイの暗号を米英が解読したもの)公開により明らかになったものです。
太平洋戦争を勝利に導いた英雄ルーズベルトは、現在、「ソ連スパイの暗躍を許した売国奴」と一部の間で見直されており、
その会派(草の根保守)が推しているのが、トランプなのです。
(一方、対立しているのが「草の根社会主義運動出身」のオバマであり、民主党であり、日本以上に左派リベラルに牛耳られている米国マスコミ等です。)
…実際には全文読まれることをオススメします。
今後の日米関係を考える上でも大事な本でした。
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