こんにちは。
今回ご紹介しますのは、「反共感論」(2018年)です。
まるでコロナウイルスのパンデミックを予言していたかのような書です・・・
コロナウイルスは確かに大問題です。
しかし、コロナウイルス「だけ」が問題なわけではありませんね。
(家族に囲まれて大往生・・・を夢見ていたけど、コロナで誰とも会えずに最期を迎えた方もいらしたでしょう・・・)
「共感は大事だが、偏向性である。」
というのが著者の主張です。
以下、読書メモです。
「共感の欠如」より「過剰な共感」が問題。
★共感は大いなる悦楽の源泉になるが、道徳的指針としては不適切である。愚かな判断を導き、無関心や残虐な行為を動機付けることも多い。
★非合理で不公正な政策を招いたり、医師患者関係などの重要な人間関係を蝕んだり、友人、親、夫、妻として正しく振る舞えなくしたりすることもある。
★「反共感論」は過激な発言であるが、見かけほど過激ではない。世界をもっとよくしたいのなら共感なしで済ませた方が良い結果が得られる。
★共感の欠如より過剰な共感が原因で生じる問題の方が多い。
★心より頭を使うべきである。
(よく言われるのが日本においてコロナで死んだ人が1年間で4000人、一方、肺炎で死ぬ人は1年間で10万人という話。とはいえ、もちろんコロナを軽んじて良いわけではないですが。)
※道徳の領域ではしばし理性を否定する傾向が強く見られる。
★他者の欲望や動機を正確に読み取る能力はサイコパスの特徴でもある。
(♨これを実現した政治家はヒットラーでしょうかね・・・)
「共感」は偏向している。
★共感とはスポットライトを浴びている特定の人々に焦点の絞る一方で、共感の対象にならない人々の苦難に対して盲目になる。
★つまり共感は偏向しており、郷党性や人種差別をもたらす。
★共感は近視眼的で、短期的には状況を改善しても将来悲劇的な結果を招く場合がある。さらにいえば数的感覚を欠き、多数より1人を優先する。かくして暴力の引き金になる。
★糖分をたっぷり含んだうまそうなソーダのようなものの方が私たちを魅惑するが、おそらくそれは害になる。
★孟子の言う、「おぼれている人を助ける」時に、「共感」は要らない。
★我々は、「共感」に依存せずとも道徳的判断を下す能力を備えている。
★遺伝子の導きに従っているということで自分だけを気遣うのは、おそろしく非生物学的である。
チャーチルの名言
★「20歳の時分でリベラルでない人は心がない。40にして保守主義者でなければ脳みそが足りない」-チャーチル
(つまりリベラルのもつ社会主義的な面を言いたいのでしょう。共感は大事ですけど、それがメインになってしまうと根本が崩れる、と言うことでしょうか。)
是非、一読を↓
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【追記】パニックにならない処方箋
新型コロナウイルス問題で日本中がそれ一色になってしまっているが、この本を読んでおいたおかげで冷静に対応することができた。
コロナウイルスの死者よりも、インフルエンザ、あるいは交通事故、自殺の方が明らかに多い。(2020/03/01)
【追記】日本の政策が良かったのかはまだわからない。
国の批判をヒステリックにする人も多いけど、政策が正しかったかそうでなかったかなんて、後世になってみないとわからない。
ただ、アベノマスクにはちょっと残念な気持ちにならざるを得なかった・・・。
(今はお疲れ様でした、ゆっくり休んで病気を良くして下さい、と言いたい。)(2020/08/30)