こんにちは。
今回ご紹介しますのは、『日本人の本質』(中西輝政、2011年、日本文芸社)です。
前編は【コチラ】に書かせていただきました。
ひきつづき、読書メモです。
第2部:精神
日本人には「人をだましてはいけない」という倫理観が、基本的に根付いています。
「騙すより騙される方がいい」と言われることさえあります。
これは「自分の心を磨け」と神代から教え諭されてきたからでしょう。
そして、この精神こそが日本が今まで困難を乗り越えてきた要因と考えています。
実際に、陸軍中野学校(昭和13年)でも「謀略の極致は誠だ」と説かれました。
大和心には「ますらお」ぶりもありますが、「たおやめ」ぶりもあります。
♨「たおやめ」…手弱女と書いて「たおやめ」。意味は「たおやかな女性。なよなよと優美な女性。たわやめ。」(デジタル大辞泉:小学館)
その両方が兼ね備わった、「強靱」かつ「こまやかで優しさ」を兼ね備えた日本精神が「大和心」で、
こうした日本精神を身につけ、大切にしようと思うことが愛国心だと考えます。
江戸時代、多くの知識人たちは、「正直でさえあればその人の心の中に自然に神が宿る」と繰り返し書き残しました。
これは今日の日本の庶民の心にも深く響き合うものを含んだ教えであり、世界宗教と同じ深さを持つものではないかと考えます。
大東亜戦争を否定する動きはありますが、1つの戦争で千年、二千年にわたる文化や文明の根幹を全否定することはあってはなりません。
幕末から明治にかけて来日した欧米人は異口同音に「日本は他のアジアとは違う」と口にしました。
彼らは「この国ほど、貧しいけれど心を重んずる国民はない」と賛美しました。
日本文明のもつ精神の豊かさこそ、日本人が重要にすべきであり、
「1人で立つ」という気概と、「心によって立つ」ことで日本は輝きを取り戻すでしょう。
「日本式経営」は優位な点もあり、参考にされている面もあります。
よって、
日本人は日本らしさを追究すべし。
でしょう。
第3部:歴史
以下、ダイジェストで。
★日本文明史上、聖徳太子の「対中華対等」外交は画期的でした。
★元寇ではカミカゼ云々より、戦うことを回避しなかった武士団の決意こそ勝因ではないでしょうか。
★朱元璋の遺訓が「日本は攻めてはならない」であったため、足利義持が冊封を拒んでも永楽帝は攻めて来ませんでした。
★吉田松蔭は「技術」ではなく、「精神」が国を守ると説きました。つまり、「和魂洋才」です。
和魂無才、無魂洋才ではダメ。無魂無才になろうとしているのが今。
★皇室の伝統は日本民族にとって大いなる資産であり、天皇制を廃止したら日本人はキリスト教を失った西洋人のように狂ってしまい統治できないであろう、とGHQ。
★日露戦争は世界各国の歴史教科書にも記載される一大事件。
★大東亜戦争の見方は4つ。
①悲惨な戦争、やるべきでなかった戦争、間違った戦争
②邪悪な戦争、侵略戦争、という確信犯的左翼思想
③愚かな戦争、特に日独伊三国同盟が愚行。それとアメリカを入れてしまったこと。これは認めないといけない。
④栄光の戦争、民族の一大叙事詩。指導者層はおろかだったが、国民は英雄であった。アジア解放の戦いと信じて戦ったものも多い。戦争犯罪が少ない。
以下、略。
全体の感想としましては、「清々しいまでの日本礼賛本」でした。
ちょっと首をかしげてしまうような箇所も見受けられたのですが、数冊くらいは、こっち系の本を読むと、気持ちが強くなれるのではないかな、と思います。
特に、「日本人は心を重んじて立つべき」という点は、大事だと思いますし、他国も見習って(?)欲しいな、と思います。
(もちろん、肝心の日本人がもっとしっかりしなくてはいけないのでしょうが)
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