☞【1st bookに是非】『日本人はなぜ戦争へと向かったのか』（NHK取材班、2015年）

こんにちは。

今回ご紹介しますのは、『日本人はなぜ戦争へと向かったのか（外交・陸軍編）』（NHK取材班、2015年、新潮文庫）です。

元々は2011年にNHK出版社から出されたもので、dvdも発売されております。

本巻は「外交」と「陸軍」編ですが、「民衆・指導者編」、「戦線拡大編」、「戦中編」なども存在します。

外交編では「世界を読み間違えた日本」ということで、外務省の失敗を問いただしております。

外務省の外交音痴…というのは島国に住む我々にとっては耳の痛い話でしょうか。

陸軍編では「戦略なき人事が国を滅ぼした」という点について。

人事システムについては、知っておいた方が良いと感じましたが、現代に重なる点も多いと感じました…

ただ、問題と思われる点もいくつか。

1つは「なぜ日本人は…」と日本人が一括にされているのかという点です。

こうした考えは、柳田国男の「常民」という発想から来ているのかも知れませんが【コチラも】、

「日本人が戦争へ向かった」と定義してしまうと、論理的に「おかしい」んですよね…

（「日本が戦争へ向かった」ならわかります。）

このあたりは、加藤陽子先生の『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』に対しても言えることですね…。

（理系論文ではこうした主語の間違いなどがあれば、まず落とされます。）

ほか、問題点としては「陸軍編」があって「海軍編」がない、とか。

非常に読みやすく、わかりやすい文章なので、dvdと合わせて1st bookとしてオススメしたいところですが、批評的精神をもって読むとなお良いと思いました。

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