~「もう一つ上の日本史」出版に伴い、勉強方法も変える必要が出たので、全面改訂突入します~

歴史能力検定前に歴史関連の書を200冊くらい読みました。

でも、その時、この本が出版されていれば、「一生懸命読んで感心していたけど実は俗論だった」なんて本を読まずに済んだ・・・

浮世先生、最初から、この本で勉強したかったですっ!

(※勢いでamazon reviewにも投稿してしまいました。もちろん★×5)

そういうわけで、僕ができることは打線を組むことくらい。

「もう1つ上の日本史」の中でも“唸るフレーズ”を厳選して打線を組みました。

まずは近代、「明治の夜明け」編から。

改めて思います。

やはり、この本は「日本人が信じていそうな俗論、デマの集大成に対する反証の集大成」。

一家に一冊、辞書代わりに置いておいた方が良いでしょう。

1遊 最初の段階では長州藩から新政府に誰も参加していない(p22)

最初から来ましたね~。ゾクゾクします。「意外」という言葉しか思いつきません。

長州藩が薩摩に並んで新政府の中心的存在となるのは「1871年の廃藩置県」で、公卿・諸侯が一掃されてからとのこと。

王政復古の大号令がなされた西暦1868年1月の時点で長州藩はようやく「朝敵」を解除されたばかり。

新政府に参画どころではなかったのですね。

また、その頃は「総裁」「議定」「参与」という「三職」で成り立っていました。

テスト前、この時代の政治体制は、「ややこしい、でも、どうせすぐ終わる」ので、完全にすっとばしていました。

でも各藩、各人の駆け引きを考えると、これはまたどこかで調べないと、と思いました。

とりあえず「参与」と「参議」の違いは必須ですね。

長州藩が参画できるようになったのは1868年3月から。

その2ヶ月なんてどうでもいいじゃん、って言う人は、ちょっと歴史、あるいは学問に向かないかも?

その2ヶ月、何があったのか。

そして、他藩も参画していた体制から、どういう経緯で薩長中心となったのか。

「事実」が知りたいって、思いません?

明治維新は、

「変革を求める国民」ではなく幕藩体制で政権運営に関われなかった勢力の一部による「政権交代」。

先生が「はじめに」で書いておられる。この言葉も重要だから覚えておくように。

2中 「廃城=取り壊し」ではなく、「軍用施設ではなくなる」という意味(p36)

僕自身、「廃城令(1873年)」の意味を全くわかっておりませんでした。

そりゃ、字から見たら、取り壊される、って思うじゃないですか。

これは、江戸幕府当初(1615年)の「一国一城令」と混同していたのでしょう。

「廃城令がなければどれほど日本の景色が・・・」

なーんて、誰にも言わなくて良かった。

ちなみに現在、天守閣が残っている城は12。

廃城令の時点では60ほど残っていましたけど、失火、老朽化などで第2次世界大戦前には21に減少。

そのうち、8つが空襲で失われ、松前城は戦後に失火してなくなったので、12。

というか、

維新の前後でそれまでの日本的なモノやコト、だいぶ破壊されなかったでしょうか

って、先生も言っておられますぞ。廃仏毀釈とか、ようやってくれましたね。

3三 一般に「合議制」と「民主制」は別のものです(p27)

ホント、勉強になります。

私が理解したところでは、「民主制」は政治に関わる半数以上が「民衆」であって、「多数決は必須でない」というところでしょうか。

「民主制」と「合議制(複数の構成員で話し合い意思決定を行なう)」を混同している人も多いのでは?

「民主制」の対義語は、「君主制」、「専制」、「寡頭制」なんですね。(「合議制」の対義語は「独任性」のよう。)

それでもって、何があかんのかと言いますと、

「五箇条のご誓文」をもってして、

「これは十七条憲法の焼き直し、日本人の根幹だ!」

という「ノリ」になってしまうこと。

「十七条憲法」にしても、「五箇条のご誓文」にしても、民主主義を説いたものじゃないから。

♨勉強当初、井沢先生の著作【コチラ】を読んで感銘を受けていました・・・。(「つかみ」としては良いですよ。でも、その「つかみ」も「もう1つ上の日本史」が全て網羅してしまっております。)

4投 地租改正と徴兵令の解説が不十分だと、目前の「自由民権運動」の背景につながりません(p50)

本章でもっとも重要なフレーズと思って、4番、投手に指名させていただきました。

これに続く言葉は、

「地租改正反対一揆」、「血税騒動(徴兵令反対一揆)」の話があればこそ、自由民権運動の広がりと、不平士族たちの反政府運動とを関連させて説明できるのです。

僕自身も、この明治初期の改革と、自由民権運動を「分けて」考えておりました。

いやー、ダメですね~。

改めて、最初からこの本で勉強したかったです。

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感想(0件)
本書を何度も読み返して下さいね。

 

富国強兵の根幹であります。

ちなみに廃藩置県までは徴税も軍権も各藩に属しておりますよ。

あと、「寄生地主制」についてね。

これがわかっていないと、第2次世界大戦後の「農地改革」まで誤認してしまう。

新政府に対して奇兵隊が反乱を起こしていることも覚えておけよ。

5一 「すごい」ところばかりにとらわれないのが正しい歴史研究だと思います(p56)

本書全編にわたってのテーマでもあります。

「耳障りの良い」文章は昂揚感を生みますが、「事実」と「事実でないもの」は厳密に区別する必要があると思います。

私は「事実」が知りたい。

そのためには曇りの無い目で、よく疑い、よく学ぶが良い。
大体、1870年代なんてまだ「近代化した」とは言えねぇんだよ。

 

「世界でも類を見ないほど急激な近代化を果たした」とか、恥ずかしいこと言うな、って。

6捕 「征韓論」をこのように解説するのは現在では珍しいです(p58)

ヤバイです。

征韓論で西郷と板垣は一枚岩だと思っていました。

ヤバイです。

征韓論で大久保と木戸は一枚岩だと思っていました。

なんで、大久保利通は征韓論の時に西郷が朝鮮に行くことを「国内優先」とか言って阻んだくせに、その後、台湾出兵などしたのだろう?(口ばっかりか?)って思っていましたが、ようやくその理由がわかりました。(国内優先を主張していたの木戸でした。)

おいどんは「自分が殺されたらそれを大義名分にして朝鮮を攻めろ」なんて言っておらんでごわす。

 

というか、武力征伐を主張したのは板垣殿で、おいどんはそれに反対してたでごわす

あと、おいどんの顔もコレに似てないでごわす。

7右 「討ち入った」のはのは庄内藩兵だけではなく(p24)

細かいことなんですけどね。

「戊辰戦争の前、西郷隆盛の刺客が挑発を繰り返す。怒った庄内藩が薩摩藩邸を攻撃。西郷にとっては戊辰戦争を始める大義名分ができた」と思っていました。

厳密には「庄内藩、鯖江藩、上山藩、岩槻藩」の4藩だったのですね。

西郷にとって、そんなに庄内藩自体に恨みをもっていたわけではなく、数ある佐幕方の1つ、といった認識だったのでしょう。

酒井玄蕃殿は強かったようですな。

「庄内藩に寛大な処置をした」って言われますけど、これはくれぐれも「挑発に乗ってくれた」からとかそういうんじゃないから。

8左 「合祀されている/いない」という表現に改めてほしい(p26)

これも全然知りませんでした。

何のことかと申しますと、靖国神社「本殿」と「鎮霊社」の違い。

「鎮霊社」は、1965年に造られました。

ここでは、国に殉じたとされながらも本殿においては「合祀対象外」となった御霊と、諸外国の戦没者の御霊を祀られています。

つまり、戊辰戦争の賊軍兵士や、西南戦争で西郷隆盛についた兵士たちも祀られています。

というわけで、

「西郷隆盛は靖国神社に祀られていない!」

とか知ったかぶって言ってしまわないように。

9二 明治政府のおかげでさらに「不平等」に(p38)

岩倉使節団に対して、もしかすると、

「江戸時代の不平等条約を改正しようと海を渡ったのに、肝心の明治天皇の委任状を日本に忘れて取りに帰った、ちょっとおっちょこちょいな人たち」

と思っている人がいるかも知れません。

これ、ほとんど間違いです。

そもそも、岩倉使節団は条約を改正するために海を渡ったわけではありません。

そして、「江戸時代の不平等条約」と書きましたが、のちに改正運動の対象とされる「不平等条約」は明治新政府が発足当初に江戸時代よりもに「不平等」にしてしまった条約です。(これこそが「学校が教えない日本史」だそうです。)

また、明治新政府は「おっちょこちょい」の集まりなどではなく、鉄道敷設権、租借権、鉱山利権、軍駐留権など、この時期に重要な外交問題は手際良く解決している有能な人たちであったことも付記します。

「新政府が結んだ不平等条約」についてはその後、何度も出てきます。

 

幕府が結んだ安政の五カ国条約は関税20%で当時の国際基準では普通

関税5%で大打撃を受ける「改税約書」は長州藩の下関戦争の尻拭いによるもの

安政の諸条約は1872年が改訂期限でしたが新政府が1869年に結んだ「日墺修好通商条約」が基準となってしまいました。

これによって、安政の条約では曖昧にしていたところが、全て「日本不利」になってしまったんですよねー。

 

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