(※6)五榜の掲示
一方、「五榜の掲示」は民衆向けのものです。
内容は「禁止令」です。
太政官が掲げた五榜の掲示では、五倫の道を説き、徒党・強訴を禁じ、キリスト教を邪教として禁じるなど、旧幕府のそれまでの儒教道徳に基づく教学製作を引き継いでいたが、それらはすべて5年以内に撤廃された。
「詳説日本史研究」p331
(五榜の掲示:現代語訳)
第一榜 一 人たるものは五倫(君臣・父子・夫婦・長幼・朋友)の道を全うしなければならない
一 身寄りのないものや身体に障害を持つものに憐れみの心を持たねばならない
一 殺人や放火、盗みなど悪行をはたらいてはならない
第二榜 徒党を組んで強訴したり、兆散したりしてはならない
第三榜 キリスト教は旧来の通りこれを厳禁とする
第四榜 外国人に対して暴行を働くことは禁止である
第五榜 浮浪・本国脱走を禁止する
なんや、江戸時代と変わってねぇや。
五榜の掲示に基づいて、閏4月17日、キリスト教信者4010人が流罪となった。
「浦上信徒弾圧事件」とも言う。
諸外国はクレームをつけつづけ、ようやく1873年にキリスト教解禁になる。
最後の2つは私の意向が大きい。
先月、襲われたことと、其の犯人が「本国脱走者」だったためだ。
いつまでも攘夷論では困るんじゃ。
(※7)パークスと慶喜
江戸城無血開城が本決まりとなる前に、パークスは再度、西郷に釘を刺します。
以前、パークスは慶喜にあった際、その人物を評価しておりました。
おい、西郷。お前、まだ慶喜公を殺そうとなど思っているんじゃねぇだろうな?
ナポレオンだってそんなことされなかった。
ましてや恭順を掲げてる慶喜公にそんな万国法に背くようなことしたら、お前ら、無法者と評価するぞ。わかってんだろうな?
ぐぬぬ…
慶喜公は日本で最高の人物だな。
他人はどうあれ、私は評価しているぞ。