~只今、全面改訂中~

(※3)官制改革で「三院制」に

廃藩置県を迎えて再び大改革が行われた。(中略)太政官は正院・左院・右院の三院制となり、神祇官は廃止された。正院には政治の最高機関として太政大臣・左右大臣・参議をおき、左院は立法諮問機関とし、右院は各省の長官(卿)・次官(大輔:たいふ)で構成する連絡機関とされた。このような官制改革の結果、薩長土肥、とくに薩長の下級武士出身の官僚たちが、政府部内で実権を握るようになり、公家出身者は三条実美、岩倉具視を除くとほとんどが勢力を失ってしまった

「詳説日本史研究」p334
近年、明治維新は「革命」というより、「西欧の衝撃」に対する「国内改革」という見方がされつつある。

支配階級が変わったのものの、江戸幕府と明治新政府はむしろ「連続」しているというのです。

(※4)岩倉使節団

1871年、政府は右大臣岩倉具視一行を欧米に派遣して、条約改正の予備交渉と欧米の国情視察にあたらせた。

この使節団には副使として参議木戸孝允・大蔵卿大久保利通・工部大輔伊藤博文ら、政府の中心人物たちが参加していた

条約改正交渉は、法体系の未整備など日本の国内の近代的諸制度がまだ確立されていなかったため、ほとんど相手にされなかった。

しかし、使節団一行が議会・官庁・工場・学校・病院などの近代的諸施設を実地に視察し、立憲政治の発展、産業の振興、自主の精神の実現などに支えられた欧米諸国の充実した国力と、日本の立ち遅れを痛感して帰国したことは、その後の欧米列強を目標とした急速な近代化政策の展開のために、大きな刺激となった

また、使節団には近代日本最初の女子留学生5人を含む留学生など約60人が同行した

留学生の多くは留学生活を終えて帰国したのち、いろいろな分野の専門家として、お雇い外国人にかわって、日本の近代化の推進役をつとめた。

「詳説日本史研究」p344
女性5人とは吉益涼子、上田悌子、山川捨松、永井繁子、津田梅子さんです。

津田梅子さんは当時9歳でした。

いったん帰国した後も、再度渡米、渡英し、1900年に女子英学塾(現・津田塾大学)創設します。

女子教育の発展に寄与されたのです。

山川捨松さんは、旧会津藩士の娘さんですね。

薩摩藩出身で陸軍卿の大山巌と結婚したんですね。

まあ、それはいいとして、のちに「鹿鳴館の女王」と呼ばれます。

津田梅子さんの援助も行いました。

 
永井繁子さんは旧幕臣の娘さんです。

加賀藩出身ののちの海軍大将・瓜生外吉と結婚しました。

ご自身はピアニストでもあり、結婚後も東京音楽学校(現:東京芸大音楽学部)などで音楽教育に尽力されました。

吉益涼子さんと上田悌子さんは病気で1年未満で帰国。

吉益涼子さんは30歳の若さでお亡くなりになられた…。

政府の重要人物が同行したのは画期的なことだと思いますが、そのために留守を預かっている政府と意見の乖離が生じてしまうわけですね。
重要な決定はしないはず、だったんだけどな…。
朝鮮開国も明治新政府にとって必要でごわしょう。

こちらにはこちらの考えがあるでごわす。

大隈重信
わしも行きたかったなぁー。

真っ先に希望出したんだけどなぁー。

ちなみに私は佐賀藩時代に長崎へ行き、

宣教師フルベッキのもとで政治・法律・経済・キリスト教を学びました。

みなさん、重要なことを言っておりませんね。

今回の目的は「江戸幕府が結んだ」不平等条約改正ではありません。

明治2年に新政府が焦って結んだ「北ドイツ連邦への特権付与」、「日墺修好通商航海条約」により、江戸時代の「安政の諸条約」の「改定」がより不利になる可能性があったため、出航したのです。

岩倉使節団は「協議改定期限延期」が目標なんですよ。

そもそも、長州藩が無謀な下関戦争なんてしなければ「改税約書」もなかったのに。
アメリカに着いたら条約改正の話が出たため、慌てて明治天皇の委任状を取りに帰国しました。

しかし、いざ交渉を始めると、商人や他国から反発があって、結局、以後、改正交渉は行っていないんですよねー。

これが真実。

ただ、幕末にアメリカと結んだ、江戸と横浜を結ぶ鉄道敷設権は撤廃に成功した。

これは大きいだろ。

あと、プロイセン商人のガルトネルに租借してしまった北海道七飯村300万坪も回収に成功。

グラバーが利権を得て、オランダに売却されてしまった高島炭鉱の鉱山権益も回収に成功。

横浜の英仏軍の駐留も撤廃。

鉄道敷設権、租借権、鉱山権利、軍駐留権をこの時期に退けられたことは、のちの日本の発展に大きな意味を持つですよ。

決して、私の粗相ではない。

あと我々のすごいところは決して欧米のすごいところだけ見たわけではない。

ちゃんと欧米の闇の部分まで見てきていることだ。

ただ、一番、感銘を受けたのはプロイセンのビスマルクさんかなー。