~只今、全面改訂中~

☞【最新学術研究のイイとこ取り!】『太平洋戦争の新常識』(歴史街道編集部、2019年、PHP出版)

こんにちは。

今回ご紹介しますのは、「太平洋戦争の新常識」(歴史街道編集部、2019年、PHP新書)です。

太平洋戦争については実に多くの書物が出ていて、何から読んで良いのかわからないくらいですよね…。

まずは、「教科書的」なものを把握することが良いと思いますが、それだけではおそらく「腑に落ちない」と思う方は多いでしょう。

いわゆる「保守派」と呼ばれる方々の書籍【コチラとか】は目に付きやすいので、こうした書籍も読まれた方は多いのではないでしょうか。

しかし、これらは全く別のことが書いてあったりしますから、今度は、「ホントはどうなの?」と思うでしょう。

そこで、今度は、「最新学術研究」の出番です。

両方の意見を知った状態で本書を読むと、「面白い!」のですよね…。

研究成果を惜しげもなく書いていただいた学者さんたちには敬意を抱きます。

「太平洋戦争を愚策と斬り捨てるのは日本人にとって不幸」と書いておりますが、ホント、そのとおりだと思いますね。

読みやすいので1日で読めるかと思いますので、是非、ご一読を。

以下、目次を紹介します。

第1章:日米両国は五十年間、戦端を開かなかった(中西輝政先生)

※平たく言うと、国内に絶対的な権力が誕生した時が危ない。アメリカで言えば、ルーズベルト政権。

第2章:情報を精査したうえで、開戦は決定された(牧野邦昭先生)

※秋丸研究機関(1940年~)の話。秋丸氏も絶対不利と分かっていたけど、陸軍トップの杉山元が「その結論は国策に反する。焼却せよ。」というので、わずかな可能性に賭けるしかなかった。

第3章:三国同盟は「ある時点」まで日米交渉を有利に導いた(井上寿一先生)

※ある時点とは独ソ戦のモスクワ攻防戦まで。これは野村吉三郎大使が言っている。ドイツが劣勢になるとアメリカが交渉で強く出るようになった。

第4章:日中戦争が日米戦争の原因ではなかった(渡辺惣樹先生)

※結局の所、日米ともに「第2次世界大戦」に「巻き込まれた」。

第5章:戦艦大和は「時代遅れ」でも「無用の長物」でもない(戸高一成先生)

※問題はその「運用方法」。

第6章:ここで戦艦大和を投入すれば戦局は違った(平間洋一先生)

※ミッドウェー、ガダルカナルと使い方を誤った。また、戦略的な使い方も誤ったのではないか…という話です。実に示唆に富みます。

第7章:零戦の性能は「設計の妙」がもたらした(戸高一成先生)

第8章:ミッドウェー海戦時、日本の戦力は優位にあったのか(森史朗先生)

第9章:「キスカ島撤退の奇跡」を導いたものは何か(早坂隆先生)

第10章:「ヤルタ密約」をつかんだ日本の軍人がいた(岡部伸)

※情報士官・小野寺信少将。しかし、この「正しい」情報はソ連に傾倒するグループによって握り潰されてしまうのです…

第11章:「終戦後」に始まった占守島と樺太の戦いとは何だったのか(早坂隆先生)

第12章:「終戦の聖断」が八月十四日に下された実相(古川隆久先生)

※様々な状況を鑑みて聖断が8月14日に下されました。その中でも昭和天皇が最も警戒したことはドイツやイタリアのように陸軍が全く言うことを聞かなくなることでした…

第13章:東京裁判で重光葵がA級戦犯にされた理由(中西輝政先生)

第14章:国を想い、凜として散ったBC級戦犯たちの戦い(福冨健一先生)

第15章:フランス代表理事は東京裁判で「反対」判決を出した(大岡優一郎先生)

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