こんにちは。
今回ご紹介しますのは「南京事件」です。
「南京事件」は「プロパガンダ」とずっと思っていました。
しかし、「もう一つ上の日本史」で決してプロパガンダとは言い切れない、と書いておりまして、読んだ次第です。
「でっちあげ」説にはいくつか誤解していた点があるようで、、、
結果、宗旨替えすることとなりました・・・。
とはいえ、私はいわゆる「サヨク」ではありません。
日本が好きです。
だからといって、事実は事実として知りたい、という立場でおります。
もっとも、中国側が主張する被害者30万人という説は、どこまでが「虐殺」で、どこまでが「戦争」なのかも区別がつきにくく、再考の余地がある点もあるかと思いますがね。
というわけで、「南京事件」は「なかった」などとは言えないと思うのですが、
世界史ではもっと大規模でひどい虐殺を習うのですよね・・・
ですので、南京事件があったとしても、さほど驚きません。
以下、読書メモ。
まえがき
★「南京事件」ほど事実認定が分かれるものはない。
★「俺にとっては右派も左派もない あるのは真実か真実でないかということだけだ」(ボブ・ディラン)
★著者も政治、思想に興味はないが、真実かどうかを知りたいがためにこの事件を調査することにした。
★「南京事件」については「捏造」を主張する人が多い。こうした人は「読んでいない」もしくは、微細な点を抽出して「一点突破」して全否定してくる。
★しかし、何とかドキュメンタリー放送および出版にこぎつけることができた。
第1章:「悪魔の証明」
★「南京大虐殺」を否定する人は、「日本人がそんなことをするはずがない」という主張だ。そもそも「南京大虐殺」という言葉も「南京虐殺」「南京事件」などと呼ばれており統一すらされていない。
★しかし、外務省のホームページには非戦闘員の殺害、掠奪については「否定しない」と書かれている。
(もっとも、具体的な人数は諸説あり、実数の把握は困難であるとも書かれる。)
★「被害者人数論争」と「虐殺の有無」については別問題として考えたほうが良さそうだ。
★「被害者人数論争」については、「当時人口20万人しかいなかった南京市でどうやって(中国政府が主張する)30万人殺したのか」という点である。
しかし、20万人という数字は「安全区」に住んでいた人々であり、現場は南京城内や中心部だけではなく南京周辺の広範囲の地域も含み、時期も6週間から数ヶ月と考えると、この説は通らない。
南京は上海の内陸にあたります。
上海から南京までの道のりの間も含めてのこの数字なのかも知れません。
数字については「全数を把握できない」というのが実情でしょう。
★1937年に始まった日中戦争。これにより上海在住の邦人保護の目的で松井石根を司令官とする「上海派遣軍」が派兵された。そうして生じたのが「上海事変」であり、戦線拡大して「第十軍」も加わる。
★当時の新聞は検閲が入っていたから正確ではない。一方、海外の新聞には記事が出ている。
「南京事件否定派」の人たちは、彼らが買収されていたと主張するのです。
しかし、 他にも南京市内に居住していた外国人の日記からも虐殺の様子伝えられているんですよね・・・。
このあたりは【コチラの書籍を】を。
★陸軍の資料なども戦争責任を追及される前に焼かれていてわからない。
第2章「陣中日記」
★陣中日記からは当時の兵士たちの生々しい様子が伝わった。「これ以上は見せられない」と言う人もいた。
★これらの日記から虐殺はあったと考えるほうが妥当であろう。
★便衣兵と呼ばれる、私服を着た兵士がいたことは確かだが、民間人は殺されている。
★松井司令官の入城式にあわせて虐殺があったと考えられる。
日本史だけ勉強していると、日本だけが悪かったのかというような錯覚を起こしてしまう。
第3章 「揚子江の惨劇」
★死体が積んでいったのは日本兵が積んだのではなく、銃弾から逃れようとした中国人が死体の中にもぐりこもうとしたために生じたのである。
★大量の捕虜に食糧を与えることができなかった面と、入城式にあわせて虐殺した面が強い。
なんせ日本兵の食糧すらままならない状態だったのですよ。
捕虜にまで食糧が行き渡るはずがないでしょ。
★「生きて虜囚の辱めを受けず」と教えられている日本軍に捕虜の気持ちがわかるはずがない。
(注釈:ただし、東條英機が「生きて虜囚の辱めを受けず」と戦陣訓を示したのは1941年1月のことで、南京事件の約3年後。)
第4章 「兵士たちの遺言」
★NNNドキュメント「南京事件 兵士たちの遺言」
★同時期、南京事件のユネスコ登録をめぐって日本政府が批判するという抗議があった。その勢いで原田義昭議員は荻上チキ氏の番組で「南京事件=捏造」を口にする。しかし、人口20万人というのは南京の安全区の人口であること、海外誌で報道されていること、日本政府も認めていることなどを言われると混乱。
(→のちにこの議員はコロナの時期にマスクの高額転売をする)
★なぜ「通州事件」をやらないのか、という意見もある。しかし、これらを並列に扱ったとしても、「どちらも虐殺」ということにしかならない。
★そうなると「重慶爆撃」もしなければいけない。認知度は低いが。他には「九州帝国大学生体解剖事件」だとか。
★産経新聞も番組否定。しかし、相変わらず一点突破方式。
第5章 「旅順へ」
★早稲田大学留学生の徐さんは「1人っ子政策」の関係で戸籍を持っていなかった。希望する教育を受けるには戸籍が必要だった。日本留学には「見せ金」も必要であり、そのために15歳から働いた。自分の戸籍を手に入れるところから始まる人生。苦労の度合いが桁違いであった。
(※ちなみに、中国では教科書で南京事件を学ぶ。これに割かれるページは55頁という。しかし、徐さんには反日という意識はない。)
★旅順でも虐殺はあった。
終章 「長い旅の終着」
★南京事件で対立しているのは「否定派」と「肯定派」ではなく、「利害」と「真実」だったらしい。国益を守ろうとする政治家は南京事件を否定したがる。しかし、ジャーナリストはそうはいかない。
★民族ではなく、1人1人を見るべきであろう。
日本人がそんなに有能な民族であれば、日本で犯罪など起きないはずでしょ。
生物学的に考えて、人間なんてそんなに変わらないんですよ。
民族的な影響よりも、地政学的な影響、そして本人の気質、教育の方が大きいんじゃないでしょうかな。
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