こんにちは。
今回ご紹介しますのは、井沢元彦先生の「点と線がわかる日本史集中講義」です。
初学者向け。
日本史を勉強しようと思ったその日に読んでみて良い。
井沢先生と、「戦争の日本中世史」(書評はコチラ)を書いた呉座勇一先生が「言論プラットフォーム」アゴラ上でバトルになっていて、びっくりしました。
一般人の目を引き付けたという点で作者の井沢元彦先生が残した功績は大きいと思います。
しかし、著書に多く書かれています井沢先生の一連の学者批判に対して、学者である呉座先生はよっぽど怒っていたと思います…
呉座先生の意見を要約しますと、「学者を批判しておきながら、学者の書いたものを引用して書いているのはいかがなものか?」というもの。
非常に明快。
とりあえず停戦となったのですが、僕自身の考えとしましては、呉座先生を支持します。
呉座先生は他にも百田尚樹先生、八幡和郎先生ともバトルになりましたが、またしても電光石火の勢いで論破していきます。
相手は呉座先生を「不敬」などと人間性に焦点を当てるしかなくなっているのですが、これは、呉座先生が年下だから言っているんろうな~と思うと、何か昭和の嫌な感じを思い出します。
井沢先生にしてみれば、26歳下の人間をちょっと「ひねる」つもりで論戦したのかも知れませんが、相手が悪かったと思います。
「推理小説家に戻れ」と言われるとは思ってもみなかったでしょうが、最近の井沢先生の著作のタイトルを見ると本当に推理小説家に戻られているような気もして驚きます…
ただ、井沢先生にしても百田先生にしても学者じゃない方の本は、これから日本史を勉強しようとする初学者には非常に向いていると思います。
僕自身も、日本史を勉強しようと思ったきっかけは、この「日本史集中講義」でした。
「穢れ」理論とか、「十七条憲法」の「和を以て貴しとなす」という言葉にはつづきがあることとか、ちょっと面白い切り口が多数あります。
ただ、勉強を進めて裏付けが欲しいと思うようになってくると、自然と学者の本を選んでおりました。
そういうわけで、読者が棲み分けて選んだら良いのかと思います。
医学本も、「患者体験記」の方が、読み易かったりするのと一緒ですね。
というわけで、つかみには本書をオススメします。
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