~「もう一つ上の日本史」出版に伴い、勉強方法も変える必要が出たので、全面改訂突入します~

藤原氏と大伴氏はずっと昔からライバルであったが、そういう観点で見ても、そうでなくても実に面白い。

応天門の変/伴大納言絵巻についての概略】

866年、応天門焼失(※当時、清和天皇17歳。)

左大臣源信(57歳)が告発される

※左大臣とは当時No2。源信は嵯峨天皇皇子。当時の太政大臣は藤原良房63歳。

この告発は伴善男が右大臣藤原良相(良房弟)と謀ったのではないか?
(善男にとって嵯峨源氏が最大のライバル、良相にとっては目の上のたんこぶ)

藤原良房、即座に信の逮捕撤回を清和天皇に依願。

※絵巻に書かれている場面でもある。

【藤原良房が抱える3つの憂い】

①清和天皇の親政

②良相が藤原宗家を継ぐこと

③嵯峨源氏による皇親政治

信が逮捕されると、②が決定的となり、本家が乗っ取られるのを何としても阻止したかった。

最悪のケースは①+②。

半年後、大納言伴善男56歳が捕らえられる。

※告発したのは嵯峨源氏側。善男はもちろん否定。

従者による鷹取娘殺害事件で有罪に

清和天皇の依頼で良房が根回し?

※尋問が長引くと嵯峨源氏側が不利に。そうなると再び②の危険性が増す。

※また、清和天皇にとって大伴家=天武系は決して仲間ではない。対新羅外交もポイント。

体調回復して摂政に返り咲いていた良房は権力も回復。源信はずっと左大臣のまま。弟の良相はずっと上にいけず。養子の基経がその間に出世し、良房の地位を引き継ぐ。

300年後、後白河法皇サロンで絵巻が制作

※しかし、絵巻の中に大納言が書かれていないと言う謎

詳しくは書籍で。

大伴氏は古来、蘇我氏と仲間。

※天皇の側近でもあり、雄略天皇期に発展。新羅とは伝統的に友好。

※壬申の乱では天武側につく。

※大伴旅人の兄弟の1人(宿奈麻呂)が、善男の4代前。(宿奈麻呂ー古麻呂継人ー国道ー善男

※大伴古麻呂は対唐外交などで活躍。橘奈良麻呂の乱で藤原仲麻呂により撲殺。

※祖父・継人は政権争いに関わり藤原種継暗殺事件を起こし処分、大伴家は打撃を受けた。

※父は空海とも交流有。陸奥守として転出したところ急逝。

天智系vs天武系は、藤原家vs大伴家でもあり、藤原仲麻呂による大伴古麻呂撲殺、大伴継人による藤原種継暗殺など何かときな臭い。親百済vs親新羅の対立でもあり

※823年、淳和天皇就任に際して、大伴氏は伴氏に変更。淳和天皇が大伴皇子と呼ばれていたため。

伴善男

811年~868年。大納言まで出世するも、866年の応天門の変で左遷され、配流先で死亡。

※大伴善男、エリートコースではなかったが図書館に勤め始めた縁で仁明天皇の学友に。31歳でようやく官位を得る。

※翌842年の承和の変で運よく出世。法隆寺財物横領事件で名を馳せる。

※小野篁(802-853)は伴善男をバックアップ。

※仁明天皇…嵯峨天皇第2皇子として出生。学問好き。母は橘氏(奈良麻呂の孫。)

※847年、仁明天皇は故・橘奈良麻呂に官位を送り、名誉を回復。

大伴古麻呂は奈良麻呂の乱に加担していたことから、大伴氏と橘氏の関係も浮き上がる

※850年、仁明天皇は40歳の若さで崩御。24歳で文徳天皇が成立。

良房は善男を取り込もうとした。

※仁明天皇崩御で善男も失脚と思いきや、その後も出世。

立坊争い

伴善男と藤原良房は文徳天皇の次の天皇をめぐって急接近

※第1皇子惟喬親王及び、第2皇子の母は紀名虎娘の紀静子。第3皇子の母は滋野貞主娘、第4皇子の母は藤原良房娘の明子(あきらけいこ)で、当時皇子は生後20日。第4皇子を無理やり、皇太子に。(立坊争い→競馬10番勝負、相撲)

※名虎と相撲した「よしお」こそ伴善男説。

※第4皇子が9歳になった時、文徳天皇死去、清和天皇として即位。

※善男はさらに辣腕をふるい、貞観の治を実現。とはいえ、やや調子に乗り過ぎたか?

※伴家の大納言就任は旅人以来、130年ぶり。この2年後に事件。

藤原良房は、嵯峨源氏より弟こそ注意。

良房の弟・良相に善男は水面下で接近

嵯峨源氏と善男は以前より対立。善男の後ろ盾の良房は当時、肺病。

※信は武芸者を集めていた。清和天皇は元服。

※良房の憂い①清和天皇の元服、②弟の出世、③嵯峨源氏による皇親政治体制

※良房や信と異なり、良相は善男と同じく実務に長けていたとも。良房は嵯峨源氏から妻をもらっており、嵯峨源氏が一番のライバルの善男にとっては信用できなかった?

※嵯峨源氏は百済、藤原氏とつながりが深い。一方、大伴氏は親新羅を伝統とし、蘇我氏とつながりが深い。つまり、親百済と親新羅の対立が平安時代に再燃

※この時期、新羅から難民多数。難民どころか攻撃も。

大伴氏が誇りある応天門を焼くはずはない。

※源信も放っておけば権力が手に入るので違うだろう。

※良房だとしても、良相のダメージにつながっていない。

※やっぱり偶発的事件では?

※ちなみに竹取物語に出てくる5人の貴公子のモデルの1人は伴大納言?(決して良くは書かれていない。)

まあ、基経(31歳)が賢かった

※基経は良相と善男の策略を見抜き、即刻逮捕を断る

※清和天皇は良房、ひいては嵯峨源氏DNAを選択する。

※連座して紀家からは豊城、夏井、春道、武城が流罪。多くは全く関係なかったけど、連座して逮捕されたのは紀氏が清和天皇の兄にあたる系譜だからか?(立坊争いで敗退していた)

※紀夏井は讃岐で有能だったけど。有能であるがゆえか。良房にとって最悪の事態は良相ー善男ー文人官僚ー清和天皇体制

※危機に際して清和天皇と良房が結託?これにのった清和天皇は有能な官僚を失い、親政も不可能に

派閥にとらわれない動きを見せる良房の権謀術数はすごい。

※良房は外交事情にも詳しく、反新羅感情をうまく使ったのも善男との違い

※実際に870年に新羅による日本侵略が現実味を帯びていた

絵巻の人物の謎。

※伴大納言絵巻の人物は長く謎とされてきた。

写真はwikipediaより。

※清和天皇と話をしているのは→良房(いそいで信を無実にするように説得。軽装。)

※襖の向こうで聞いている人物→基経

※清涼殿にたたずむのは善男ではなく、源信?(正装、裸足で祈りを捧げる、竹がある、天智天皇とダブルミーニング?生霊。)

写真はwikipediaより。

※鹿ケ谷事件や同時期の火災との意味も?

※それでいて源氏の旗揚げを促しているとも?(清和源氏)

※善男=清盛?、信=後白河?

※百済観音vs救世観音(蘇我系)?

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