~只今、全面改訂中~

☞【昭和陸軍を知れば近代史がわかる!】『昭和陸軍の軌跡 永田鉄山の構想とその分岐』(川田稔、2011年)

こんにちは。

今回ご紹介しますのは、川田稔先生の「昭和陸軍の軌跡」です。

「昭和陸軍が歴史の表舞台に登場するのは、とりわけ満州事変からである。」

冒頭のこの一文に吸い寄せられました。

昭和史はどう勉強してよいのかわかりませんでしたが、「陸軍」を主体にして考えると、実に腑に落ちることがよくわかりました。

非常にオススメです。

一夕会

昭和陸軍を語る上で、永田鉄山と一夕会については知る必要があります。

一夕会は若槻内閣の後継の犬養内閣において荒木貞夫を陸相に推します。

荒木貞夫は一夕会の思惑通りの陸相とはならなかったものの、その後、永田鉄山ら一夕会系幕僚は中枢を掌握していきます。

過去には山縣、桂、寺内、田中義一ら、軍人個人が権力を掌握しようとした例はありましたがが、組織として政治を動かそうとするのは新しい志向でした。

【主な一夕会メンバー】

<15期>

河本大作(1883.1.24-1955.8.25)兵庫県出身。張作霖爆殺事件の首謀者とされている。

<16期>

永田鉄山(1884.1.14-1935.8.12)長野県出身。相沢事件で暗殺。

小畑敏四郎(1885.2.19-1947.1.10)高知県出身。皇道派。対ソか対支かを巡って永田鉄山と対立。

岡村寧次(1884.5.15-1966.9.2)東京都出身。終戦時、100万の「支那派遣軍」を率いていた。

板垣征四郎(1885.1.21-1948.12.23)岩手県出身。柳条湖事件を首謀ほか。東京裁判で死刑。

<17期>

東条英機(1884.7.30-1948.12.23)東京都出身。

<18期>

山下奉文(1885.11.8-1946.2.23)高知県出身。皇道派と目されていた。「マレーの虎」。

<21期>

石原莞爾(1889.1.18-1949.8.15)山形県出身。満州事変をおこす。のち東条と反目。

<22期>

鈴木貞一(1888.12.16-1989.7.15)千葉県出身。木曜会を組織。東条の側近に。100歳まで生きた。

牟田口廉也(1888.10.7-1966.8.2)佐賀県出身。インパール作戦を指揮。

<23期>

根本博(1891.6.6-1966.5.24)福島県出身。終戦後、極秘に台湾に渡り共産党軍を撃破。

岡田資(1890.4.14-1949.9.17)鳥取県出身。大岡昇平「ながい旅」の主人公。B級戦犯として絞首刑。

<25期>

武藤章(1892.12.15-1948.12.23)熊本県出身。統制派だったが東条と対立。

田中新一(1893.3.18-1976.9.24)北海道出身。対米開戦を主張し、慎重派の武藤と対立。

続きは【読書メモ】で。

【読書メモ・年表編】
石原莞爾の作戦部長辞任までを前編、その後を後編という区切りを示した。最も混迷な時期に、永田鉄山、石原莞爾という2人の巨頭が居なかったことが日本にとって不幸だったのか、あるいは居てもどうしようもなかったのか、居たら余計に悪い方向に走っていたのか、専門家の意見を知りたい。

読書メモ前編】【読書メモ後編】【年表前編】【年表後編

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