☞【近代史上に残る名外交官・名外相で打線を組んだ】

こんにちは。

前回は「亡国の外交官・外務大臣」で打線を組みました。しかし、外務省はダメで失敗ばかり、なんてはずはありません。

今回は、「近代史上に名を残す名外交官・名外務大臣」で打線を組んでみました。

実際に打線を組んでみたところ、「かなり」強力打線が完成しました。

やはり、こちらも年齢順で。

1中　青木周蔵
2三　陸奥宗光
3遊　石井菊次郎
4一　幣原喜重郎
5投　吉田茂
6二　佐藤尚武
7左　東郷茂徳
8捕　重光葵
9右　杉原千畝

1中　青木周蔵　313. 10HR

不平等条約改正、って陸奥宗光と小村寿太郎しか知らない…

ではダメーっ！

陸奥宗光の前任者の「青木周蔵」の功績があったからこその不平等条約改正と思います。

「大津事件」（wikiはコチラ）というニコライ2世暗殺未遂事件の責任をとって辞職しましたけど、それが無ければ中学校の教科書に記載されたのは「青木周蔵」だったかも知れません。

感心したのは、辞職後。

決してふてくされるわけでもなく、陸奥を支えて立派に不平等条約改正をサポートしたのです。

見事なチームプレー、立派です。

【青木周蔵】（あおき　しゅうぞう：1844-1914）

長門国（山口県）出身。1891年5月の大津事件さえなければ、もっと有名になっていたかも知れない。ドイツ人女性と国際結婚したことでも知られる。

2三　陸奥宗光　385. 47HR

別名「カミソリ陸奥」。幕末は坂本竜馬の海援隊に加わり能力を発揮。

その後は、紆余曲折を経て外務大臣となり数々の不平等条約を改正。

奥さんが美人でも有名。

【陸奥宗光】（むつ　むねみつ：1844-1897）

紀伊国（和歌山県）出身。数々の不平等条約改正で教科書に載る。「銀魂」にも彼をモチーフとした「むつ」という女性キャラクターが坂本辰馬の部下として登場。（それにしても銀魂をは実によくできた漫画だと思う。）
陸奥宗光の功績の多さを考えると、没年53歳というのにはビックリ。

3遊　石井菊次郎　380. 35HR

倉山満先生大絶賛。第1次世界大戦中の難しい時期に外務大臣となり、ロシアとの第4次日露協商、英米との協調を実現し、日本の国際的立場を強固なものとしました。1917年の「石井ーランシング協定」でもその名を残しました。

【石井菊次郎】（いしい　きくじろう：1866-1945）

上総国（千葉県）出身。「戦前最高の外交官」という呼び声も高い。「石井ーランシング協定」で中国権益をアメリカと調整。晩年はヒトラーは条約など紙切れとしか見ていないので信用するなと警笛を鳴らす。東京大空襲で死亡。

4一　幣原喜重郎　310. 25HR

1927年の南京事件への対応から「幣原外交」＝「協調外交、軟弱外交」、一方の「立憲政友会（田中義一、森恪）」＝「強硬外交」という見方もされますが、それはあまりに一面的でしょう。

政友会もパリ不戦条約など国際協調していましたし、幣原外交時と田中外交時では中国情勢が変わっていたから、外交姿勢が違って当然なのだと思います。【コチラも】

投手に推す声もありましたが、浜口首相銃撃後の首相代理時代に、失言などで国会が荒れたため、一塁手に。（戦後は首相経験）

【幣原喜重郎】（1872-1951：しではら　きじゅうろう）

大阪府出身。外務省入省後、1921年のワシントン会議に加藤友三郎、徳川家達とともに全権として参加。のち憲政会内閣において外務大臣を歴任。1941年には日米非戦に向けて「乙案」を作成するも実現されず。戦後は首相にも就任。

5投　吉田茂　325. 27HR 14勝7敗 防3.00

「バカヤロー解散」含めて昭和の大宰相のイメージが強すぎるかも知れませんが、元々は外交官です。麻生太郎は孫。

【細谷先生のコチラが秀逸。（書籍も買いましたが積ん読状態】

【吉田茂】（よしだ　しげる：1878-1976）

東京都出身。外交官時代は中国勤務が長く、スタンスとしては「親英米」。しかし本国とは独自のスタンスでイギリスを困惑させることも。戦後は対米従属と非難される側面もあるが、「GHQ」のことを「Go Home Quickly（早くアメリカへ帰れ）と思ったよ」と言うなど、硬派な面も見せる。

6二　佐藤尚武　375. 10HR

林銑十郎内閣時代の外務大臣に務めました。

近年、その功績が認められております。

要は日中戦争は林内閣から近衛内閣に代わるにあたって、外務大臣も佐藤尚武から広田弘毅に代わり、対中平和政策が変化したことに依る部分があります。

石原莞爾とともに華北分離工作の見直しを行ないました。

【佐藤尚武】（さとう　なおたけ：1882-1971）

大阪府出身。近年、評価が高まる。この人が近衛内閣でも外務大臣に留任していれば日中戦争は起きなかったか、あるいは起きたとしても早期講和できた？

7左　東郷茂徳　287. 9HR

開戦時の外務大臣。

「日米開戦に最後まで反対した」と言う点で評価される面もありますが、「結局開戦を許してしまった」という点で評価されない面も。

終戦時に和平をソ連に頼んだこともマイナス評価。

息子も孫も外交官で、孫の東郷和彦氏は佐藤優氏にその交渉能力の高さを尊敬されています。

【東郷茂徳】（とうごう　しげのり：1882-1950）

鹿児島県出身。奥さんがユダヤ系ドイツ人。なおさらヒトラーを信用せず。最後まで日米開戦を避ける努力をした。「東條」と間違えないように。そして「東郷平八郎」でもない。

8捕　重光葵　340. 30HR

「連合軍に最も恐れられた男」。

アメリカ主導の東京裁判に正論をもって異を唱える。

A級戦犯にされたのはアメリカにとって厄介だったからであろう。

1945年9月2日の降伏文書調印でも知られる。義足の勇士。

【重光葵】（しげみつ　まもる：1887-1957）

大分県出身。外交官時代の1932年、第1次上海事変後の祝賀会で爆弾テロに遭い、片足を失う。防共政策の充実、欧州大戦への不介入を訴える。1943年の大東亜会議を主導。戦後は鳩山内閣の外務大臣を歴任。

9右　杉原千畝　331. 23HR

「東洋のシンドラー」。

もしかすると世界一有名な日本人外交官かも知れません。

リトアニアに赴任していた際に、亡命ユダヤ人の多くを救いました。

（しかし、政府、外務省の訓令に叛いたことを問題視されてしまいます。）

この「命のビザ」が有名ですが、暗号解読のスペシャリストでもあったそうです。

【杉原千畝】（すぎはら　ちうね：1900-1986）

岐阜県出身。ロシア語に堪能。ユダヤ人だけでなく多くの難民を救う。2016年、唐沢寿明主演で映画化。

番外：後藤新平

1857-1929、陸奥国（岩手県）出身。「シベリア出兵」期、本野一郎の後を受けて1918年4月23日から 9月29日まで外務大臣を務めました。児玉源太郎とともに行なった台湾統治、満鉄総裁時代、震災後の東京復興が有名のため、本枠から外しました。ちなみに医者。

番外：宇垣一成

1868-1956、備前国（岡山県）出身。宇垣一成は陸軍大臣のイメージが強いのですが、1938年5月26日から9月30日まで外務大臣を務め、日中戦争終結に向けた「宇垣工作」を行ないました。

しかし、外務省の反対派、近衛首相に梯子を外される格好などにより宇垣工作は失敗。

最終的に辞任に至りました。

外務大臣時代の短さから番外に。

番外：原敬

1856-1921、陸奥国（岩手県）出身。平民宰相など内政面で活躍したが、元々は外交官。

しかし、外交官としての評判はイマイチ、ということで番外。

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