こんにちは。
今回ご紹介しますのは、「原始時代の概観」です。
原始時代は史料が少ない分、「諸説」まかり通ります。
それらは実に面白いのですが、推測の域を抜けないものを妄信することは危険ですので、
用語集、教科書、問題集、史料集、ゴロあわせくらいにとどめて、「深入りしない」ことが一番の目標でしょうか。
ただ、興味がある人は「遺伝生物学」まで勉強すると良いと思います。
「日本史」はどこから始まるか?
まず、考えたいのは、「日本史のスタートはどこか」という問題。
戦前は「古事記」から日本史が始まっていたというのでビックリしますね。
※津田左右吉先生は「古事記は創作」と言った(1919年)。それが原因で1940年に著書の発禁処分を受け、1942年には有罪判決まで受けた。戦後、GHQによって日本=神国という発想を捨てさせるため「古事記」は排除された。このことをマイナスに捉える風潮もあるが、おかげで「考古学」が盛んになり、「岩宿遺跡」や「登呂遺跡」の発見につながる。
※津田左右吉の他には、
「神道は祭天の古俗」と論文を出したら不敬罪となった(1892)久米邦武先生、
南北朝時代があったことを教科書に書いたら休職に追いやられた(1911)喜田貞吉先生もチェック。
「日本人」はどこから来たのか?
また、「日本人はどこから来たのか?」というテーマも重要なテーマだと思います。
個人的にはゲノム解析技術に期待しております。
書籍でいえば、コチラがオススメ。
数々のデータが合わさることで「日本人はどこから来たのか?」ということが見えてきますが、
ざっくり言って、「4万年前」以降に日本列島に足を踏み入れたのが「縄文人」。
戦乱の中国を嫌って「3000年前」以降にやってきたのが「弥生人」。
そして数千年かけて両者が「平和的に」同化して現在の日本人が形成されたというのが、ゲノム解析から推測し得る「日本人起源論」でしょう。
(実際は縄文人が日本へ来るルートも3種類くらいあったりしてもっと複雑。)
さらに詳しくは『歴史REAL 日本人の起源』(篠田謙一、山田康弘ほか、2018年、洋泉社)を。
縄文とか、弥生とか…。
そして、近年、「縄文時代」の概念が大幅に変わっています。
もはや「縄文時代」=「狩猟採集生活」=「移住生活」という図式は成立しません。
そもそも「土器のわずかな模様の違い」で時代を分けるなんて、どうなんでしょうか。
私が小学校の頃は何が縄文で何が弥生か分類させられたような気がしますが、
いっそ縄文とか弥生とか区別せずに「古代」あるいは「原始」とまとめてくれたらどんなに楽かと思います。
「人類」はどう進化したか?
さて、「日本人起源論」について知ると、今度は「人類はどうやって進化したのか?」「われわれの遺伝子は何からできたのか?」ということにも興味が湧きませんか?
さかのぼると、地球が誕生したのが46億年前。
生命が誕生したのが38億年前。
哺乳類が誕生したのが3億年以上前。
類人猿から人類とチンパンジーが分岐したのが700万年前。
「ホモ=サピエンス」が誕生したのが20万年前。
「ネアンデルタール人」が絶滅して「ホモ=サピエンス」だけになったのが4万年前。
世界史および日本史がはじまるのなんて、まだまだ後のことです。
さらに遡ると宇宙の起源はどうかという話になり、そこから物理であったり、化学の話(元素の誕生もこの時)になるのでしょう。
とりあえず以下、人類の進化について読んでみた本の一部を難易度順に並べてみました。
2019年に読んだ本の中でもベストはコレ↓。1番のオススメ。ものの見方が変わった。
こちらもよくまとまっていました。
地球と人類の46億年史 洋泉社土屋健 /価格:910円 (2020/3/15 09:27時点) 感想(0件) |